言葉というのは不思議なもんだとつくづく思う。
強調する語句を変えることで、その意味する背景や、フォーカスが随分かわってくるのだ。
例えば次のような平文がある。

「わたしはあなたのその横顔を忘れない」

この文章の“わたしは”を強く言うと、
「みんなは忘れてもわたしだけは忘れないわ」
と、自分の思いが全面に出てくる。
“あなたの”を強く言うと、
「いろんなひとと出会ってきたけど、あなただけは忘れないわ」
と、あなたの印象の強さが表現される。
そして、“その横顔”を強く言うと、
「あなたのいろんな表情をみてきたけど、その横顔だけは忘れないわ」
有名な老婆と婦人のだまし絵のように、不思議な横顔だったかもしれない（笑）

「わたしはあなたのその横顔を忘れない」
これは、本アルバムに収録されている、snowdomeという名曲のなかの一節。
美しい雪原のなか、彼のやさしい横顔が目に焼きついて離れない。
雪がとけるように、別れた二人。思い出だけは残る。
この文章にメロディがつき、それぞれの語句の強さが多重、多層となり、エモーショナルなひろがりを生み、そこへカエラの歌声がパステルカラーの色彩をあたえていく。
他にもいい曲たくさん。
スキのない仕上がりになっている買いのアルバムです。




DX「駄洒落は？」
aiai「おわっ！いたのかデラックスファイター！」
DX「駄洒落は？」
aiai「…いやそれは」
DX「デラっ！」
aiai「ちょちょちょ、ちょっと待った！ちょっと待った！ちくしょう、各レビュー間に脈絡もたせてるの俺ぐらいだぞ…」
DX「デラっ！」
aiai「わかった、わかったって！…今朝、寝てるとき、めちゃくちゃふくらはぎの裏が痛くて目がさめたんだ」
DX「怪我したのか？」
aiai「木村カエラだ」
DX「？」
aiai「木村カエラ→木村カエリ→コムラガエリ…こむら返り、痛いんだこれ」
DX「木村カエラ、こむら返り…」
aiai「…」
DX「…」
aiai「…」
DX「…フフ」
aiai「う、うけた…」
DX「…フフ」
aiai「へへ、うけた、うけた。ご注文の駄洒落は以上でよろしかったでしょうか？」
DX「…よろしかったでしょうか？……デラックスボンバーーーーーーーーーーーーーーー！」
aiai「おわぁーーーーーー！日本語厳しいのねぇーーーーーーーー！

snowdome〜ワニと小鳥の流れがぐっときます。
なんか切ない感じがグワッとあふれてきます。
元気いっぱいなカエラちゃんのイメージがガラッと
かわる流れだと思います。

もともと天性の声質の持ち主だと思っていたが
同時にアルバム単位で聴けるレベルには
ないとも思っていました。
これは木村カエラというブランドに対しての
方向性が不明瞭だったからだと思います。
絵で言えばレベルの高いラフという感じですかね。
これまでのアルバム関して言えば
極悪な言い方をすれば
恵まれている人間の道楽といった感すらあった。

ところが協力な作曲者陣を迎えての本作は
何より質の高い曲が揃っている。
東京事変・亀田氏作曲の「dolphin」などは
シングルカットされていないにも関わらず
その完成度に驚かされる。
しっかりとした画集というレベルまで
あと一歩というところまで
来ているのはないでしょうか？
彼女の才能からすれば、
もっと突出したアーティストに
なれると思います。今後に期待したい。

ということで、
現時点では彼女のアルバムを聴くなら
まずこのアルバムをオススメします。

木村カエラは歌唱力がとてもありますね。
このアルバムの曲は全部いいです！！

木村カエラは裏切らない。