88年後半。オールナイトニッポンは何度目かの黄金時代を迎えていた。DOLL誌の精神は「宝島」に継承され、「自主制作」という言葉は「インディーズ」というハイカラな響きの言葉に変わり、アマチュアバンドが金になると気付いたTV局は「イカ天」でバンドブームを作った。ブームは89年だから、このアルバムはその正に前夜にリリースされた事になる。ANNでもバンドの青田刈りが始まっていて、「ぶっとうしライブスペシャル」という生ライブを頻繁に行っていた。時には一部二部通して四時間やった。筋肉は一曲目に「マタンゴ」を選んだ。シュールな歌詞とハイテク演奏にやられてしまった。その時のMCが業界内でバカウケし（客に「上を向いて歩こう」を歌わせるとか）、オーケンは水曜の一部に大抜擢される。因みに当時の二部がホリプロ移籍前で落語家だった伊集院光で、二人で「光ケンヂ」とか言っていんちきな宣伝をよくやっていた。とまあ、ナゴムブーム（ナゴギャ大好き、スキー大好き太田！）の勢いでデビューした感のある筋肉だが、このアルバムではある事が切っ掛けでとんでもない事になっている。それはギタリスト、ジェットフィンガー横関敦のゲスト参加である。彼のプレイが天才ピアニスト・エディの本気を引き出してしまった。大半の曲はナゴム時代の曲のリメイクだが、その差は歴然でとても同じバンドとは思えない。つか、同じ曲とも思えない。日本青年会館での囲碁野郎ライブ（チケット代金1586円）は佐世保からわざわざ行った・・・ＰＣの調子悪くて何度も書き込み消えた。続きは別のアルバムのレビューに書きマス。

ジェットフィンガー横関と天才三柴さんが絡んでいるだけにハードロック好きにはたまらない一枚。マタンゴのギター&キーボードバトルなんてもうたまりませんしびれました。