眉山−びざん−

泣ける映画が良い映画とは限りませんが、この映画で随分と泣かせていただきました。

ですが、おいおい、彼女と彼はもう恋仲になってしまったのかとか、お母さんと彼はどのように知り合って彼女は生まれたのかなど、追求すると話が細切れな状態で不自然だ。と思う箇所が随分とありました。更に、宮本信子さんの存在感に松嶋奈々子さんが上手くかみ合っていなくて違和感をおぼえました。要するに松嶋奈々子さんは女優としてはまだまだだという事です。対照的に宮本信子さん、彼女は演技が上手い…。

「東京タワー」「眉山」と、共に子供の為に生きた母親を子供の目線から描いていますが、私はどちらかというと、この「眉山」に軍配を上げたいです。それはきっと、男性から見た母親と女性からみた母親は同じ母親ですが類が違うのではないかと思うからです。男性は母親を人間として一人の女性と潜在意識の中で観ているのではないでしょうか？それに対して女性は、すでに自分の母親になりきってしまっている。例えば、キッチンに立って、料理の献立が思いつかなくなると、そういえば、お母さん、この食材でこんなものを作っていた。と自分の母親と同じ手際で同じ物を作リ出す。生きる道は違えど同化している訳です。男性と女性とでは母親との繋がり方が違うのではないでしょうか？

私は、宮本信子さんと松嶋奈々子さんの共演する中に自分の母親と自分を重ね合わせました。境遇は全く違いますが、もし、自分の母親が病に伏して余命幾ばくかになってしまったのなら、私は彼女に何をしてあげられるのだろうか？そして、彼女は自分の為に生きてくれていたのだろうか、生まれ変わったら、また、私を子供にしてくれるだろうか…など、色々と考えるうちに涙が止まらず、ティッシュペーパーで鼻をかみ、涙を拭き、見終わって、ベッドの中に入ってからも泣いていました。

母親とは時にうるさく感じ、でも、幾つになっても無条件で甘えられる。そんな都合の良い存在。ですが、私はそんな母親が大好きです。



遅くなってごめんなさい。オタエドンさん、ぶわつさん、お元気ですか？もう、レビューは書けないと思っていましたが、こうして帰って来られました。寒さが増して来ました。体調を崩さないでください。声をかけてくださって本当に嬉しく思います。お顔もお名前も知りませんが、不思議とどこかで会っているのではないかと感じられます。みなさんのレビューを拝見させていただくと、ああ、元気でいるんだなと思います。また、レビューの中でお会いしましょう。

日本アカデミー賞優秀賞が、１２月１８日公開された。詳しくは、http://www.japan-academy-prize.jp/allprizes/2008/i
ndex.html
そこでＴＳＵＴＡＹＡのアカデミー賞優秀作品等の在庫数について。

優秀作品賞　　　　　　　　　　在庫数　　（１２／２２、１７：３０時点）☆マーク度

ＡＬＷＡＹＳ 続・三丁目の夕日　　まだ、ＤＶＤ化なってない。
キサラギ　　　　　　　　　　　　　２０枚　　　　　　　　　　　　ミカヅキ
それでもボクはやってない　　　　　１９７枚　　　　　　　　　　　ミカヅキ
東京タワー オカンとボク　　　　　７９６枚　　　　　　　　　　　　　☆
眉山　　　　　　　　　　　　　　　８０枚　　　　　　　　　　　　ミカヅキ

優秀アニメーション賞
ヱヴァンゲリヲン 新劇場版：序　　　まだ、ＤＶＤ化なってない
河童のクゥと夏休み　　　　　　　　まだ、ＤＶＤ化なってない
鉄コン筋クリート　　　　　　　　　９５枚　　　　　　　　　　　　　ミカヅキ
ピアノの森　　　　　　　　　　　　２０枚　　　　　　　　　　　　　ミカヅキ
名探偵コナン 紺碧の棺　　　　　　　５９枚　　　　　　　　　　　　ミカヅキ

優秀外国語賞　　　　　　　　　　　　　　　　　
硫黄島からの手紙　　　　　　　　　１６６６枚　　　　　　　　　　　　☆
ドリームガールズ　　　　　　　　　１３７９枚　　　　　　　　　　　　☆
バベル　　　　　　　　　　　　　　１４８４枚　　　　　　　　　　　　☆
ヘアスプレー　　　　　　　　　　まだ、ＤＶＤ化なってない。
ボーン・アルティメイタム　　　　まだ、ＤＶＤ化なってない。

日本アカデミー優秀賞等の作品の在庫数見て思うのは、ＤＩＳＣＵＳは、洋画の在庫数は、十分補充しているのだけど、邦画、アニメに関しては東京タワーオカンとボクと、時々、オトン意外在庫数は全くといっていいほど補充していない。
日本の２００７年を代表となる日本の作品がほとんど２００枚以下の在庫。これはいくらなんでも少なすぎるよ。おまけに、キサラギやピアノの森なんていったら２０枚。評価が高い割に２０枚とかいう在庫だったら、☆マークになるのに一体何年かかるんだ。日本アカデミー優秀賞みたいな評価の高い作品は、私みたいに見たいと思う人が大勢いると思うので、もっと在庫数を上げてください。

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地元では話題沸騰ですが、徳島県人みんなが阿波踊り好きな訳ではありません。
演舞場近くに自宅があった時期があるのですが、玄関の真ん前に人糞落ちてるし、盛りのついたカップルがやるために上がり込んでくるし、中国、四国の暴走族が攻めてくるし、期間中はあらゆる品物が値上がりするし、個人的には大嫌いです。いい思い出はありません。まじめに踊っている人には悪いけど。

また徳島は「お医者様」信仰が熱く、人口比率の医師の割合は東京を上回ります。成績よければ親も教師も医者にさせようとします。
この映画は、私の個人的な見解だと、医者がおめかけさんを作って黙認する話にしかみえません。親子２代で医者にひっかかるなよ。アムロレイなら「人は同じ過ちを、何度、繰り返す」（BY、Zガンダムより）と嘆くところでしょう。

悪い映画ではないのですが、地元の見境のない盛り上がり方には腹立ちます。
私なら「デス眉山」を作ります。
内容は阿波踊り期間中にデートしたカップルが暴走族に襲われ、彼女がレイプされます。その腹いせに次の阿波踊り中に暴走族狩りをするという話です。クライマックスは眉山山頂でのバトルでモラエス塔が爆発炎上します。
これ、面白そうではないですか、みなさん。だれか作ってよ。

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徳島といえば人形浄瑠璃「傾城阿波の鳴門」巡礼歌の段。幼子が母親を捜し求める、この演目では最も人気のある泣き所です。徳島では、国立文楽劇場で上演されるような洗練されたものではない、素朴な人形芝居が今も上演されていて、この映画を見るまですっかり忘れていたのですが、私は学生時代にそれを見にわざわざ徳島に行ったのでした。
そんなこともあって、 母と娘が人形芝居を観劇するシーンや、回想シーンでＴＶに映し出された文楽には感激してしまいました。宮本信子が素浄瑠璃を語るところも粋だねえ。

理解しあうことが出来ないでいた母と娘。母の秘めた過去の恋をたどることで、母娘の絆が深まるというストーリーに、「傾城阿波の鳴門」のお話をうまく重ねていたと思います。

松嶋菜々子をスクリーンでみたのは初めてだと思うのですが、意外とスクリーン映えしない顔立ちですね。ＴＶで見るほうがきれいでした。それに背が高すぎて、大沢たかおとのキスシーンも、宮本信子ともバランス悪い。演技もそれほどうまいとは思いませんが、その分大沢たかおがかっこいいし、何よりもラスト３０分の阿波踊りのシーンが圧巻。これはあたりの日本映画でした。

まあ原作がある作品ですから，あとは脚本なり監督なりがどのように味付けしていくか，そしてキャストがどのように演技するかで映画としての質が決まると思います。
本作も日本アカデミー賞優秀賞を受賞した作品ですから，前述の部分が評価されたのではないかと思うのですが，私の後味として宮本信子さん「してやったり」という感じでした。
パーツ的には，母親の末期癌の告知，亡くなっているはずの父親との出会い，お互いに名乗りたくても名乗れなくて，過去に母と父の燃えるような愛があって，別れがあって，泣ける組み立てにはしてあるのですが，演技力の差といいますか，咲子（松島菜々子）の演技が少し唐突で，お龍さん（宮本信子）に食われた感じです。
映像的には，小道具の指輪，市内を見下ろす眉山からの眺望，要所要所に使われる阿波踊りなど，文句無しに上手いです。
阿波踊りをこんなに寂しく魅せる映像として使った映画は珍しいと思います。
躍動感のある踊りを見て，なぜか泣けてきました。
咲子と若い医師（大沢たかお）との恋が不自然だとか，不倫の美化だとか色々言われていますが，ドラマなんですから，見た方の心に何か残ればそれでいいと思います。
私は自分の子どもが娘（ばかり３人）で良かったと思いました。菜々子さんも二人目，次女の誕生おめでとうございます。