チャーリー・バートレットの男子トイレ相談室

主役のアントン・イェルチンの演技が素晴らしかったと思う。Teenagerのようで大人っぽく、でも役者としてすごいから子供っぽさを上手く出してるというか・・・才能を感じました。

四半世紀前にマシュー・ブロデリックが「フェリスはある朝突然に」という青春コメディ映画で超話題になったに、匹敵する、いやそれ以上の見ごたえのある「いい作品」だと私は思う。

これをみると、Teenagerの心理って進化しているのかもって思う。新しい時代になればなるほど、そこにいる若者って確実に昔の世代より自分との付き合い方がうまくなっている、と思う。

ある生徒に

「Sir, would it help if I said I'd be considerably less likely to end my life if you let us do this? 」
「もしこれをやらせて下さったら僕が自分の命を絶つ可能性が
かなり少なくなる、と言えばおわかりいただけますか（直訳）」

と言われた校長役のロバートダウニーＪｒ．のきょとんとした顔が面白かった。
馬鹿丁寧なことばの中にＹｅｓといわざるを得ないような脅し文句がキュートに入っています。

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私が想像してたチャーリー・バートレットは、
おばかでマヌケでダサくてモテナくてもちろんチェリーで、でもスゲーいい奴！
って感じだった。まぁ、ドラえもんで言えばのび太かな。
そんな奴がなんでか知らないけど、モテナイ代表として同志のモテナイ君たちの為に、
一生懸命、男子トイレで相談をきいてお悩み解決する痛快コメディを期待してた。
いけすかないモテモテ野郎をギャフンと言わせてやろうぜって。

でも、実際はなんか違った。

まず、相談者はモテナイ君限定ではなく、オールマイティ。
中には、ネクラな奴もいたけど学園のマドンナ風の子もやってくる。
（このマドンナとモヒカンのカップル誕生のくだりはくすぐったくてちょっといい話。）
モテナイ組の私のような人間にとっては、ここでちょっとがっかり。
弱いものの味方ってわけじゃないのね。
結局、チャーリーは学園の人気者として君臨することとなるし。

そして、チャーリーはのび太っていうよりスネちゃま的思考の持ち主。
自分の資本を武器にジャイアンみたいなやつらに人気取り。
よく、自分の顔を便器に押し込んだモヒカン野郎と自ら友達になろうと思うよな。
私だったら百歩譲って殴られたのはまだ許せるとして、
便器に顔をつけられるなんて一生許さないのに。毎日呪ってやるのに。
それでもまだ、ご機嫌取りするなんてよっぽどプライドがないのだろうか。
そういうところもかわいくない。要領がいいんだか、大人なんだか知らないけどさ。
しかも、甘いマスクだからか、ずるがしこいのにそれを感じさせない本当にずるい男。
ちなみにママも美人だけど、スネオママの素質は大いにあり。

そこそこ面白さのある映画ではあるけれど、ただの青春映画になってしまってって、
アホっぽいタイトルに期待した私のようなモテナイ組には物足りなさが残る。
モテナイ君たちが、モテモテ野郎に一泡吹かせる痛快さがほしかったよなぁ。
とにかく日のあたらないグループをもっとメインに描いてほしかった。

もっと、稲中みたいな話だったらよかったのにな。

　珍しくショップに立ち寄って、なんとなく借りてみた作品。タイトルがバカっぽかったので、たぶん日本ではウケない内容なんだろうと推察したのですが狙い通り（笑）。こういう微妙なラインの作品、自分は好きです。

　微妙と書いたのは「面白さがビミョー」という意味ではなく、狙いどころが分かりにくいってこと。単純な青春コメディではなく、ヒューマン・ドラマと言うほど深みもない。高校を舞台に案外シリアスな人間ドラマを描いてみせている点で、題材ぜんぜん違うけど「ハイスクール白書　優等生ギャルに気をつけろ！」（99）なんて作品を思い出したりもした。高校という“社会”の特異性や、そこに生きる生徒たちの生態と苦悩を、ややブラックな笑いに包んで描く。日本ではＤＶＤスルー必至のジャンルだけど、万国共通の口当たりのよいお味より、こういうエグみに自分は舌鼓を打ってしまう。

　まず、主人公チャーリーのポジションが日本人の自分にはよく分からない。思うに家柄が良い金持ち（いわゆる名家）ならポイント低くないんだろうけど、パパが○○で○○に行っちゃう金持ちって、おそらく一代で事業を成した成金？なんだろうか。そういう家の子だからか、チャーリーのキャラも素直な愛すべきボンじゃない。ましてや体育会系の人気者（ジョックス＝Jocks）でもない。のっけからダーティな商売（？）の発覚で私立高校を退学させられてしまうチャーリーだが、ぜんぜんメゲずに意気揚々と公立高校に転校し、またまた怪しいビジネスに手を染めて頭角を現していくという・・・。

　こういう「抜け目のなさ」をストレートに「魅力」として描いてる辺りが、自分なんかには不思議で「面白いな〜」と思う。サバイバルしていくタフさは確かに見ていて楽しいけど、転校早々に自分をボコボコにしたモヒカン野郎を仲間にするやり方とか、決して「弱きを助け強きをくじく」ではないところが、うん、不思議。考えてみれば、この作品では善悪の分布ってないのだね。みんな多かれ少なかれ悩みを抱え、それでも懸命に生きている、そういうフラットな世界。仲間同士でつるんで対抗しあって、みたいな描写はない。ひょっとすると全員が孤独なのかもしれない。う〜ん、やっぱり微妙。（誉めてます）

　で。チャーリーが何をしたいのかって言うと、「人気者になりたい」ってそれだけ。信じあえる友達がほしいとか、心から愛しあえる恋人がほしいとか、そういう顔が見える関係ではなくて、不特定多数の人々から支持されることを切望している辺りがまた、微妙なのだ。
ネット時代の青春ってこんなものなのかもしれない。

　「なりたい自分」になれるかどうか。この自己実現というテーマは、チャーリーの彼女のお父さんである校長先生の姿にも描がかれている。演じるはロバート・ダウニー・Jr.。この人って、絶望と慣れ合いながら生きるって感じが似合うのですな。この役、良かったです。

　ってことで、いやぁ、ここまで書いてきた文を読み返してみても、ホント実に微妙。単純明快な青春コメディではないので、ちょっとひねくれた人にオススメします。

人気者になりたいチャーリーは私立高校で法律に触れることをして退学になる。
そして転校先は公立ウエストサミットハイスクールの落ちこぼれ高校。初登校日にスクールバスに乗ろうとすると運転手さんが言ったね。
『乗るバス間違えてない？』。それ程までにギャップのあるチャーリーと学校の格差。

チャーリーは人に注目されたくて、トイレで不良学生たちのカウンセリングをし、彼らの症状を自分のものとして医師に診察してもらい、処方してもらった薬を彼らに売りさばく。その商売は順調に運んだが…その薬を過剰摂取して自殺を図った生徒が出て、大問題。

そんなチャーリーとウエストサミットハイスクールの校長、そしてその娘とのラブな三角関係や、お互いの両親の問題と結構複雑に絡んではいるが、最後には帳尻があう。

チャーリーの家は豪邸でリムジンで学校への送迎をするほど。お母さんはのんびり屋さんで、決してチャーリーに対して怒りをあらわにしない。
とても穏やかなママ。理想の母親と言っても過言ではない。学校生活、家庭の問題と山積みですが、観てていとても爽やかさを感じる映画でした。

青春コメディと言うよりは、青春ドラマ。
主人公が人気者になりたくて、みんなの相談を受けつつ、
不正に入手したクスリを売っていく。
そこに、彼女や、彼女の父で主人公の通う学校の校長が絡んできて、
学園中が大騒動に発展していく。
みんなの相談を受けていた主人公だが、
主人公始め主要人物全員が、それぞれ何らかの悩みや影を持っており、
みんながそれぞれ成長・克服していくと言った、
教科書的なありふれた内容。

特筆すべきは、ロバート・ダウニー・Jr.
実生活で薬物に手を染めていたロバート・ダウニー・Jr.が、
クスリについて語るシーンや、自棄になって酔っ払ったシーンは、
演技か本音か混乱するほどの名演技であった。
その他のシーンも派手さは無いが渋い雰囲気が前面に出ていた。
アイアンマンからトロピックサンダー、そして今作と、
どんな役もこなせる名優であると再認識。