ハウスメイド

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どことなく猥褻モードの漂う題名ではありますが，その手の映画ではありません。（その手もシーンも結構ありますが…。）というのも，主演が今や大女優ともいえるチョン・ドヨンssiですから，当初のR-18指定からR-15指定にランクダウンさせたという舞台裏もあるぐらいですから。

映画は，大富豪の豪邸にメイドとして入ったウニ（チョン・ドヨンssi）が，ご主人様のフン（イ・ジョンジェssi）と一夜のエッチで妊娠，これが契機となって，想像もつかない女同士のバトルへと展開し，更には“復讐”をキーワードにした大どんでん返しのラストとなります。
（以下ネタバレ）



最初のバトルは当然ウニとフンの双子を妊娠中の妻ヘラ（ソウssi）との間で発生しますが，このバトルはまだまだ生易しいもので，面白くなるのはここに新たにヘラの母親ミヒ（パク・チヨンssi）が絡んでくることでしょう。
２番目のバトルは，ウニ自身が自分の妊娠に気づかなかったのに，ベテランメイドのビョンシク（ユン・ヨジョンssi）が先に気づいたことです。ビョンシクはヘラよりもミヒにそのことを報告したため，さまざまな策略がめぐらされることになります。
ミヒが立てた策略の基本は，金を払って人工妊娠中絶させ，屋敷からウニを追放することですが，はてさてその作戦やいかに。
そして第３のバトルは，ビョンシクとウニとの間のバトルです。老練で腹の中を見せないベテランメイドとウニとの複雑な心理バトルが見ものです。

当初は無口で従順なメイドと思われていたウニは，簡単に追い出し作戦成功かと思われましたが，フンに対して「私は産みます」と宣言するという変化球を投げたものですから，事態の収集は困難となってきます。
ミヒが立てた策略はよくある作戦で想定内の行動でしたが，毒物を使った“強制堕胎”と思われる動きや，微妙な事故でウニが大怪我をすることになると，一気にサスペンスがアップします。そんな中，ヘラが無事に双子を出産し，人工妊娠中絶を受けたウニが屋敷を去ることになるのですが，これで終わっては映画としての面白味はありません。ここからラストに向けて“復讐”をキーワードとしてウニが更なる粘りを見せます。このどんでん返しともいえるウニの決断が映画を面白くしてくれます。

おまけ：基本的に日本で大流行した「メイド」はご主人様の言うことは何でも受け入れて従順に対応するというもので，今や韓国や中国でも人気スポットとなっているそうです。

ホラー？サスペンス？韓国産の描写が話題になった映画は、基本的に面白いので、
なんの知識も入れずに『ハウスメイド』を観てみました♪

おおおお！オモシロクナカッタッス！！！

最後まで飽きることなく観れるけど、個人的には、終盤の展開がイマイチなんで、ぜんぜん面白くはありませんな〜

魅力的なキャラ無し、
共感できる設定無し、
サスペンス無し、
エロあり、
ドロドロあり、
画ヂカラ有り、

という状態なので、場面場面は飽きないけれども、物語の推進力は、話の結末をどう〆るのか？が全て、
いわゆるオチが全ての映画なだけに、この結末ではまれなかった自分は、全然納得できなかった（面白さは感じない）っすね。

ハッピーエンドでも、バッドエンドでもエエけど、「さもありなん」なオチを超えた結末を用意してほしかった！

個人的には全然響かないラストなだけに、結果として、印象に残ってる部分は、
アグレッシブすぎるエロ描写での大の字だけでしたヽ（ ´ ▽ `）ノあれは笑ってええんやろか？←いや、あかんて！

まぁとりあえず、そのシーンは必見です（ウソ）

個人的満足度　52点！　オススメ度　60点！

2010年（韓国)

監督（イム・サンス)は現代韓国の階級社会を描きたかったそうです。

内容は型通りの話で、メイドとして働きに行った金持ちの家で、
ウニはご主人さまフンの子供を身ごもってしまいます。

主人の妻ヘラは長女ナミがいて、現在双子を妊娠中で、
しかも臨月です。

その邸宅には何十年も使えている先輩メイドのビョンシクがいる。
ウニの妊娠を嗅ぎつけたビョンシクは、妻の母親にそれを告げる。

そして事件は起こるのです。
ウニの二階の螺旋階段からの落下・・これは大奥様がわざと、
シャンデリアを掃除するウニの三脚を揺らしたから・・・。

妊娠を知り激怒した妻は、漢方薬の中に、毒薬を混ぜて飲ませる・・・
などなど、ウニは危険な目に遭って行きます。

この映画の見どころの一つは、ご主人さまの邸宅の美しさと、その食事
風景・・・料理の皿に盛り付けられたご馳走・・・の美しさ。

邸宅は美術館内部のように美しい。
ゴミ一つなく整理整頓され、浴室浴槽なども西洋のホテルのように、
足付きの浴槽が置いてある。

ご主人さまと同じような風呂に入り・・このあたりビックリします。
メイド用の浴室がないのかと。
食事もフランス料理のフルコースで主人夫婦は赤ワインを、よく飲む。
妊婦の奥様もワインを嗜む(これは妊娠中に良くない)
そしてメイド主任のビョンシクまで、日常的にワインを飲んでいたり、
自分たち用に豪華な料理を作って食べたりしている。

ご主人さまの弾くベートーベンのソナタ「テンペスト」など、演奏が上手すぎて、逆にCDを掛けているとしか思えななかったり・・・。

スタイリッシュな映像に凝り過ぎて、内容は平凡なご主人さまの妻の復讐と、それを恨んだメイドのウニの有り得ない行動へと繋がりますが、
ウニの行動は唐突で、現実味がありません。

そこまで思い詰めなくとも、綺麗サッパリ忘れて出直した方がいい・・そう思うのは観客だからでしょうね。

ラストシーンの庭で長女ナミのバースデイを祝うシーンも、
《あんな事件があっても、財閥一家の我々は、痛くも痒くもありません》そういうアピールでしょうか？
なんか前衛的シーンを、写真的に貼り付けたようなラストシーンでしたね。
そこだけ静止していて不思議でした。

一人の無垢な新人メイド・・・？
果たして新人メイドのウニは無垢なんでしょうか。
逆に大胆な女性に見えますが・・・

きっかけは、ウニが仕えるご主人のフンだったとしても
ウニは抵抗するどころか易々と受け入れていました。
先輩メイドのビョンシクが気づいているのに、
ウニ自身が妊娠に気付かないというボンヤリな面はあったけど、
それは彼女が無垢だったからではないと思います。

イム・サンス監督は、現代韓国の階級問題を描きたかったそうですが、
私には全然伝わって来なかったです。
むしろ、この一家は使用人に寛容な印象すら受けました。
（メイド用のバス・トイレも立派だし、キッチンでワインを飲んでも叱られないし・・・）

ここまでは、古今東西、何処にでもよくある話だと思って観ていたのですが、
ラストだけは驚きでした。
復讐といっても、壮絶な最期を雇い主の一家に見せ付けただけ。
あの人たちの誰一人として反省などしなかったと思うし、死に損のように感じました。
ただ、ウニを慕っていた6歳のナミにはとても残酷な仕打ちだったと思います。
そして、一番理解できなかったのは戸外で行われていたナミの誕生祝いのシーンです。
あれは何が言いたかったの？
どなたか教えてくださいませんか？

凶悪事件が起きた際、加害者・被害者の人格や生い立ち、事件に至った経緯が詳細に報道されるケースが多々ありますが、
時に、そういった事件が多発した場合には、社会の情勢や法律を絡め大きな問題として取り上げられることが見受けられます。
その結果、日本全土で数件の事象がまるで社会全体の象徴のように扱われ、その事件そのものの経緯を無視（むしろ触れてはいけない）するように仕向けられているように感じることも。
（ホラー映画が悪いのであれば、かなりの割合のDISCAS会員はどうなの？？）

本作品は、上流階級の一家に仕える無垢な（！）若い女性を中心に描いた物語で、
強者VS弱者という分かりやすい構図が敷かれています。

ただ、強者=悪、弱者=善という構図でもないことから、登場人物に感情移入しにくいのが難点。
制作サイドの思惑通りの反応のように思えますが、釈然としない。。。(・・。)ゞ

天地茂さんの『美女シリーズ』で育ち、”悪い人には罰が当たり、罰を与えた人も罪を償う”という構図が好きな私には、
もやもや感だけが残る作品でした。
（オチは好みなんですけどね！(*^.^*)）