男と女

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

海辺で年老いた男と飼っている犬のシーン好きです　いぬが駆け回るのと音楽のシンクロにうっとりなりました
アンヌ役のアヌーク・エーメの美しさ、特にタバコの吸い方なんか、あんなに美しくタバコ吸える女はそうそういない！うっとりなりました
有名なダバダバダ〜以外の挿入曲もうっとりなりました

うっとりうっとり言いすぎですが、照明を落としたきれいな部屋で、シャンパン飲みながら、お洒落な部屋着で見る映画です

と余韻に浸りたく、３６分特典映像を見てみると、

舞台裏のひっちゃかめっちゃかが笑いを誘います

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

夫を事故死で失った“女”　妻に自殺されたレーサーの“男”
二人は子供を預けている寄宿舎のある港町ドービルで知り合う
“女”を演じたのはアヌーク・エーメ　そのとき３４歳　落ち着いた仕草とアンニュイな物言い、硬質な美貌だが時折見せる大人の女の可愛らしさはこの映画の成功の大きな一因に間違いない
よくぞこのとき、この監督は彼女に出会えたと讃えたい

そして“男”を演じたのはジャン・ルイ・トラティヤンニ
どこにでもいそうな普通の男　そこが良い　少しシャイな気負いのない普通の男だ　過去を持つ寂しげな女に惹かれていく
この役はアランドロンには出来まい　彼だと彼自身の美貌ばかり
に目が行ってしまうだろうから

この映画のおいて音楽は重要な役割を果たしている
あまりにも有名すぎるあの主題歌・・・　しかしここでは私は
劇中　“女”の亡くなった夫が歌うサンバについて話そう
演じたのはピエール・バルーン　サンバに傾倒した本物のミュージシャンである　美しい映像とともに流れる静かなパッションを感じる音楽だ　私はなんども繰り返しそのチャプターを
バックミュージックがわりに聴いてしまう

若き日のクロードルルーシュ監督が破産寸前、超低予算で作ったため全ストーリーをカラーで撮れなかったとか・・現在を白黒、
過去をカラーで撮っている　遠景ショットが多いのはカメラの
都合だったそう！　そこが却ってフランス印象派の絵画のような
美しい映像になっている

ストーリーてきには良い意味でのサプライズがあるので
是非是非期待して見ていただきたい！！

「男と女」（1966年、仏、カラー、104分）。クロード・ルルーシュ監督（1937生）
フランシス・レイ（1932生）の音楽。

この映画の素晴らしいのは、10人見れば、10通りの驚きがあることかもしれません。

監督は、優れたカメラマンであったのです。
カラー、モノクロ（白黒）の間に、さまざまな諧調があります。
オリーブ、セピア、コールブルー、パープル、グレー、アッパーチャコール……。
それぞれの単色フィルターをかけて撮っているのです。

変転する場面をつなぐ、レイの音楽も優れています。

これを接合したのが、編集者です。クロード・バロー（バロア）＝Claude Barrois（1941〜1999）。

ルルーシュ、レイ、バローの三人の協働作業でないと、こんな映画はできません。

今はデジタルカメラで映画を撮ることができますが、昔はフィルムの時代です。
せっかく撮った映像も、現像前に光に当ると「おじゃん」になるアナログ時代です。
色の補正も簡単にできまません。現像の技術が必要でした。
東宝のモノクロ時代、カラーのウルトラマン時代が好きな人は「キヌタ・ラボラトリー」という現像会社の名前をご存じでしょう……。「キヌタ」＝「砧」。

映画を「編集」することは、現像後のフィルムを鋏（はさみ）で切っては、特殊着剤で繫（つな）ぐ、手作業であったはずです。
「男と女」で、これをやったのが、クロード・バロー（バロア）であったでしょう。
決して目立たない、裏方ですが、いい映画には、かならずいいエディターがいるようです。

アナログですから、「ぷつっ」と画像もサウンド・トラックも切れる瞬間があります。
映画館なら、なおさらですが、映写技師のプロがいて、その切れ目も見せないようにしてくれました。

「男と女」を見たあと、今、「白い恋人たち」（1968年、仏、カラー、109分）を見ています。
これは、グルノーブル冬季五輪（1968）の記録映画です。
「男と女」で認められたルルーシュ、レイ、バローが組み、撮りました。
カメラマンは、競技ごとに多く配置された。
けれども冒頭の聖火リレーの場面がもっとも美しい。

ドキュメンタリー映画は、すべてを記録することを放棄し、どこに焦点を当てるかで決まるようです。
三人は、競技者だけでなく、観客、国民にも視線を向けている。
市川崑の「東京オリンピック」（1965）がありましたが、フランス人はさらに自由勝手に芸術を追究しているようです。

札幌の冬季五輪（1972）では、70メートル級（今のノーマルヒル）で、笠谷幸生、金野昭次、青地清二が、金・銀・銅のメダルを独占しました。
それよりも、僕はジャネット・リンに夢中になった。「アイハブアペン　アイラブユー」的英文ファンレターを書き、直筆の署名の返信が来たときはうれしかったです。
「トワエ・モア」という男女デュエットの「虹と雪のバラード」は名曲で、芥川さんの声も白鳥さんの声も記憶にあるのです。

再来年（2018）は、平昌冬季五輪です。
浅田真央さんをそこで見たいです。
高梨沙羅さんには、鋭く美しい飛行をしてほしい。

「白い恋人たち」は、紀伊國屋書店さんから、ブルーレイ／ＤＶＤが出ていたのはないでしょうか……。
ぜひ、ＴＳＵＴＡＹＡさんでレンタルしてほしいです。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

超有名曲が流れて、海岸の町、砂浜のシーンはなかなかです。おじさんと犬のシルエット。ジャコメッティのコメントは良かった。後、ジャン・ルイがパリへ帰る朝焼けは美しかったです。

これ、モンテカルロのカーレースの記録映画のような趣きで、全然自動車レースに関心がない私には不向きの映画でした。

恋愛部分はあまり説得力を感じませんでした。監督の頭の中で恋愛を作ったような感じ。表面的。特にジャン・ルイの心理描写がなさすぎですね。同棲中の彼女とか出てくるのにどういう関係にあるのか説明不足。（別れようとしている感じはありますが・・）

夫を事故でなくした奥さんと、奥さんを自分のレース事故で間接的に亡くしたお金持ちの２人。全寮制の小学校の子供を土日に会いに行って出会う・・・。

少し集中できずに残念でした。もう少しはまりたかったです。

最初は、ややスローな物語展開に、じれったさを感じたが、時間をおいて２回観て、ひとつひとつのカットが、はらはらさせる緊張感や男女のもつれる思い、恋に走る高揚感などを巧みに描いていたのがわかった。

カラーと、グレーのセピア、ブラウンのセピアと、３つの色の映像を使い分け、過去の回想シーンが入り混じる場面展開に、めりはりをつけている。モノクロの画面から、ぱっとカラーの画面になったときの色の鮮やかさが美しい。フランス語の言葉と歌声のやわらかな響きも心地よいし、冬の海辺の微妙な光と冷たい風、鈍い海の色など、雰囲気は抜群。

俳優たちの演技も、とても自然で、子供たちの自由なセリフまわしも面白い。カットがすばやく変わったり、じっとふたりの会話を見守るように長回ししたり、たぶん、当時にしては、かなり斬新な映像表現を凝らしていたんだと思う。

それに、なんといっても、最後のラブ・シーンが秀逸。驚くほど静かで、美しくて、そして、とってもせつない・・・。ふたりの高まった気持ちが絡み合っていき、交じり合い、そして、しだいに離れていく過程が、絶妙に描かれている。

この映画の魅力のひとつが、女優のアヌーク・エーメの存在感。とびきり美しいというだけでなく、寡黙で、つねに抑えた感情表現が、逆に、心の奥に秘められた熱い思いを滲み出していて、引き込まれる。ぱっと目を伏せたときの表情、流れる柔らかな髪、みけんによる皺、さりげない表情のひとつひとつから、微妙な心の動きが伝わってくる。外国映画の描く女性像としては、その物静かな雰囲気が新鮮に感じる。

やっぱり、いい映画というのは、二度くらい観たほうがちゃんとそのよさを味わえるのかもしれない。なかなか味わい深い映画だった。