ジョンＱ　最後の決断

なかなかよかった。
アメリカの現実が良く描かれている。
金のないものは、病気になろうが、誰も助けてくれない。
Ｄｅｎｚｅｌ相変わらずの迫真の演技に、子役が上手い。
Ｒｏｂｅｒｔ Ｄｕｖａｌｌは、渋く好演。
何せ、全員が、ちょっといい人過ぎて、それはないだろう、ってところもあったけど、いい映画です。
必見。

巨大化して権力を持ってしまっている保険会社、社員の保険料を負担しきれなくなり保険のランクを落とさざるを得なくなっている企業の実情など、この映画には保険制度の暗い一面が顔を出します。お金のある者だけが質の高い医療を受けるのではく、貧富の差無く平等に必要な医療が受けられることが社会保険制度を支える精神でしょうし、保険制度そのものに問題を投げかける映画です。

しかし、ストーリー的には社会派映画というより、息子を救うために人質を取って救急病棟を占拠したジョン（デンゼル・ワシントン）によるサスペンス性の高いストーリーになっています。命を救う対象が子供ですから、ジョンのやむを得ない行動は同情を誘いかなり引き込まれました。また集まった野次馬たちがジョンに同情を寄せ始めたりする描写は「狼たちの午後」を思い起こさせたりと、サスペンス的には楽しめるのですが、テーマの割には描写が軽く、エピソードにリアリティを欠く面もあります。娯楽作品としては楽しめるのですが、社会派のテーマを訴えるには、少々脚本の練りが甘い感じがします。

クライマックス以降の展開は、サスペンス性を高めた脚本ではどうしても表現しきれずに、無理を押し通した感が拭えません。社会制度としての保険制度を批判してはいるものの、主人公ジョンも社会の法を犯した犯罪者ですし、この主人公を容認することは通常出来ないわけです。主人公のストーリー上での最終的な処理も、この映画のテーマを深く感じるような方向で処理して欲しかった思いが残ります。このあたりの処理が非常に安直なので、せっかく盛り上がった感情移入が途切れてしまいました。

かなり引き込まれる映画ではあったのですが、心に深く共鳴を残すまでには至らなかった感じがします。5段階評価は、3。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

日本の倫理感としては　脳死＝死というのは浸透していない。

1人の人間を助けるために　1人の脳死状態の臓器移植をするのは　法律が改正された今でも　賛否両論だったりする。

アメリカの映画は　脳死状態＝即　臓器移植で　臓器を提供する側の物語が無い。
邦画だったら　まず　臓器を提供する側の物語から始めねばなるまい（汗）

この物語の中でも　当然のように　即　臓器移植というのが　どうしても違和感を感じてしまう。
昭和の日本人だからだろうか？（汗）


でも　この映画　なかなか魅せてくれる要素は色々ある。

親子の愛。

アメリカの矛盾した保険制度への抗議。

金持ち以外の人間は　死んでも良いという医療のありかた。


追い詰められた人間の必死の行動は　胸に迫るものがある。

ただ・・・それは　デンゼル・ワシントンの成せる業のような気もしないではない。
あ　子役も　奥さんも良かったっす♪

これ　下手な役者がやったら　とんでもない映画だったかもしれない（汗）

話が出来過ぎてる感もあるし　やはり　病院ジャックは　いただけない・・・。
たとえ　人質に危害を加える気は無かったとしても　人の命を助ける現場で　人に銃を向けるというのは・・・。
まぁ　この病院は　貧乏人は見放して助けようとしてませんが（汗）

主人公が最後の決断をしたときに　息子に話しかけるシーンなどは　グッとくるものがあり　凄く泣けましたが　その最後の決断も意見が分かれそうですよね。

アメリカでは　ヒーローなんだね・・・。

金の亡者の医院長が　何故　心を入れ替えたのかも分からない。


感動もしたし　興味深い話でもあったけど　どーしても違和感が残り　手放しでは喜べない・・・複雑だ。

無理やりに感動映画を作ろうとした感じです。
色んな意味で、もっと他にやり方があるだろうって感じです。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

たいてい旦那と二人で映画を見ると意見は感想は全く合わない事が多いんだけど、この作品は一致した。

『重い！』

子供を助けるために奔走する父親。病院に立てこもり自分の命を懸けて子供を救おうとする。。。
デンゼル・ワシントンは魅せますね。。。

デンゼル以外は大した役者が出ていないからか、ドキュメンタリーか立てこもりのライブ中継を見ている気分にさせてくれました。
人間の命の重さって絶対に平等じゃないよな。。。平等には扱ってもらえないよな。。。とヒシヒシと感じました。

・・・と、父親には感心します。だけど奥さんは何してんの！？
文句言ってるだけじゃん？
「何とかしてよっ！」って。。。アンタも考えろよ。自分の子供だろっ！もっと必死になれ！
何だか、親戚の叔母さんか何かのような傍観者のような・・・そんな風に思えて腹ただしく思えました。
最後も・・・『残念』って。。。何だそりゃ！？

奥さん無しで父子家庭だったら、もっと感動できたかも。。。