犬神家の一族（２００６）

やはり新しいからでしょうか。
金田一ものの独特の雰囲気はかなり薄めだと思いました。

私のあやふやな記憶で、確信はないのですが、
この作品の旧作が金田一もの作品映画化の第１号だった気がします。

私の記憶に残っているのは、予告編で見た、湖に二本突き出た白い脚。
あれだけでも衝撃的で、興味を惹かれて観たくなったものでした。
あと覚えているのはたびたび現れる仮面の男と、犯人。
そして【スケキヨ】という変わった名前。
細部は覚えていませんでした。

金田一作品のすべてを観ているわけではありませんが、
少なくとも私の観たことのある作品では
共通して犯人の悲哀にスポットが当てられている気がします。

この作品では、歪んだ母の愛、それすらも守ろうとする息子の愛。
がテーマだったのではないかと思いました。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

前作共に何度も観ましたが
何回観ても面白い。

って言うか凄いね。

映画やねぇ〜。

豪華やねぇ〜。

これくらい豪華で無いとねぇ〜。

さすがやねぇ〜。


私的には、やっぱり3姉妹の演技力に拍手やねぇ〜。

壊れた後の乱れっぷりがわかりやすくて良いねぇ〜。


本当にあれば凄過ぎる殺人事件が、何度も見ると
凄さを感じ無くもなるけど・・・

やっぱり逆立ち死体は面白い。



普通は「おいおいｗ」と突っ込みを入れる所が
何故かあの色で受け入れてしまえる所が不思議。

わざと朱色にしたんだろうね、あの血の色は。



いやいや、豪華。

個人的に好きな俳優さんは居ない作品でこれだけ
楽しめりゃー上等よ。


安心して見れるっちゅうのがええわな。うん。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

テレビのＣＭで何回も流れていました。
昔、映画館で観た時は、ぎゃっ！と何度も飛び上がりました。
怖いというより、ビックリするんですよね。
今回は犯人も覚えているので、昔ほど意外性もなくて。
皆さんがおっしゃるように、リメイクなんてする必要がなかったですね。
松嶋菜々子は好きな女優さんですが、地味な役をやると、案外、存在感が薄れてしまう人なんですね。
それに比べて、オリジナルの島田陽子は存在感があったのだと、今さら再認識。あのくっきりえくぼが可愛かった。
オリジナルをもう一度観たくなりました。

予想通り、何の作品的価値もないリメイクでした。
とりあえず観ておかねばと思って観たけど、早送りしたい衝動を抑えるのが大変でした。

76年版に比べれば、時代の暗部の描写が極力抑えられていますが、それ故に陰鬱な一族が繰り広げるミステリーに厚みが無くなってしまうんですね。お正月映画＆幅広い客層を意識してのことなのでしょうが、作品的には全くつまらない脚本に成り下がっています。

演出的にも、とにかく"分かり易く"を重視しているようで、ひたすら台詞芝居です。
ハッキリとハキハキとした台詞、寄り込むバストショットの顔芝居、ここまでしないと観客は分からないほど馬鹿だと思われてるんですね。
照明もそんな芝居のトーンに合わせるかのように、どんなに暗いシーンでもフェーストーンは落としません。どこかに必ずハイは作ってます。しかし、顔を見たいかな？観客は。陰鬱な物語ですから、片側は必ずトーンが落ちるけど、富司純子、松坂慶子、萬田久子、中途半端にトーンが落ちている側の顔は皺が目立って仕方がないと思うけど。松嶋菜々子だってちっとも綺麗には見えないです。

唯一の救いは予算があることですね。
セットが大きく本物志向ですから、当たる光や影は綺麗ですし、照明にはかなりの時間を掛けていますね。どうしようもない台詞芝居が展開される中で、唯一照明だけが、陰鬱な物語を醸し出す作品トーンを作り出しているとまで言っても過言ではないと思います。そんなトーンの中で、カメラが寄り込むフェイスには、おいしいところをしっかり作っていますし、照明部はほんとにいい仕事してます。

市川崑によるリメイクというのも、単に豪華キャストを散りばめるのと全く変わらない鳴り物でしかないと思いますが、こんな作品を作らないといけないのかねぇ、市川崑さん。最後まで作家としての作品を作りましょうよ。

いや、まさか、ここまでオリジナルにソックリに作ってあるとは思いませんでした。セリフもカメラ回しも画面の構図も、セットまでほぼ同じ。違うのは脇役の俳優だけ。同じ市川崑監督のセルフ・リメイクとはいっても、何かしらオリジナルとは違う仕掛けがあるものと思ってたんですけどね〜。しかし、まったく同じ物を作って何か意味があるんでしょうか。ちょっと首をかしげますね。
過去にオリジナルを観ていて、しかもそれが好きな私にとっては、どうしてもオリジナルと比べてしまいます。今作に、何かオリジナルを越える要素があれば良いんですが、ほぼオリジナルを下回る作品の出来だったので、う〜ん、どうにも期待ハズレの感は否めません。
金田一役の石坂浩二の声には、オリジナル当時のハリもキレもありません。オリジナルと同じ等々力警部役の加藤武も同様。まあ、オリジナルから３０年経ってますから仕方ないとは思いますけど、やはり他の役者にバトンタッチさせてあげた方が良かったんじゃないでしょうかね〜。
他のキャストで言えば、深田恭子の役どころは難しいものじゃないので良いとしても、松嶋菜々子は珠世役には合わないなあ〜。歳がいきすぎてない？　萬田久子って、感情が高ぶった時の演技がメチャメチャ大根。松坂慶子、太りすぎて和服がはち切れそう。女優陣では唯一、富司純子がいい演技してました。でも一部、演技の統一感がない箇所があったので、そこは監督がちゃんと演技指導しないといけなかったと思うなあ。まあ、監督も相当な高齢だから仕方ないのかな。なんにしても、完全リメイクとなると、私なんかが唯一楽しめるのが俳優陣の演技だけなんだから、それがコレじゃあねえ。ホント、何のためのリメイクか分かんないですよ。
オリジナルよりもどろどろ感がなくサラッとしていて、登場人物たちの愛憎表現も平坦な感じ。因襲にとらわれた血縁の暗さも薄い。なんかタコの入ってないタコ焼きみたいで物足りない。
オリジナルを観ていない人が今作を観たら、それなりに楽しめるのかも知れませんが、オリジナルが好きな私にとっては、なぞっただけのようなカーボンコピーみたいなリメイクなら、やらないでくれた方が良かったなあ〜。

独偏満足度　５０％