記憶の棘　オリジナル・バージョン

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

いや、評価が割れてますね。ちらちらと皆様のレビューを拝見してからの観賞だったから、私には免疫ができてたのか、そんなに酷い出来だとは思えませんでした。

★思い込みのネタバレ


冒頭での、パーティーのプレゼントにおろおろする女性と後を追う少年に、なんとなくオチが分かってしまい、自室のベットで忘我の境地に陥ってる少年のシーンでこれはサイコ・サスペンスかと感じて観たのが良かったのでしょう。そう思うと彼の態度に不気味さが増し、百面相のようなニコールのクローズアップには滲み出るような狂気が見て取れるので、私的には、これはいったいどのような落し前をつけるのかという期待感にラストまで引っ張られました。
確かにやや冗長で、重厚さを狙い過ぎなけれんみを感じますが、この空気感が役者の演技を惹き立て、にわかに信じ難いストーリーに現実感を付与しているのかと思うのです。これは「パヒューム」的なリアリティをねじ伏せる力技か、現代版「悪い種子」かと感じるのですね。
激しい思い込みの夢想に、偶然手に入れた生々しい現実が拍車をかけ、精神の均衡を崩し妄想の世界に堕ちていく。彼・彼女が信じたものは何か、そこに本当に愛は存在したのかと深読みできる作品で、そのため様々な受け止め方ができて色々な感想が持たれるのかといった作品でした。

好き嫌いが分かれるのは、それだけはっきりした意思が込められているということで、私的にはそれが楽しいのですね。
あと、『オリジナル』じゃないバージョンもあるのですか？

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

これは実に衝撃的な映画ですね。

観る人の経験によって大きく感想が左右されると思います。

愛する人が突然亡くなってしまったり、いなくなってしまったり。
不完全燃焼のまま、突然終わりを迎えてしまった想いを心にくすぶらせて生きている人にはたまらない映画だと思います。

主人公、アナの気持ちが痛いほどわかりました。

ショーンを演じる Cameron Brightが本当に上手くて、あの堂々とした演技は、姿は少年なのに、大人にしかみえない。

私でも信じるし、信じたいと思う。

また年齢的にも微妙な年齢差なんだよね。
あと、１０年待てば少年は大人になる。
これは全然OKな年齢差なんだよ。

亡くなった夫の絶対的な自分への愛情を信じていたアナにとっては、自分が歳をとることは問題じゃない。

むしろ、生まれ変わってまで自分を求めてくれていた亡き夫の愛情を信じたいんだよね。

やっぱり生前おかしいな？と思ったことは多少あったと思う。
それを見なかったことにして、気がつかないことにして、彼女はショーンを愛していたんだろうなあ。

想い半ばで、いきなり途切れてしまった愛は、記憶がとても美化される。
私のことを考えても、「嫌なこともあったよね」と思っても、思い出せない。
いいことばかり思い出す。

この映画のキーパーソン、クララを演じる Anne Heche。
なんだか、フェミニンになっていて、一瞬わからなかった。

アナの母を Lauren Bacall が演じてます。
これがすごい。
最初「なんだこのすごい迫力のおばあさんは」と思ったら、 Lauren Bacall 。
納得。


もちろん Nicole Kidmanは恐ろしいほど美しい。
ちょっとおばかさん？って感じもしますが、とにかく美しい。

あまりセリフはないんだけど、心の揺れがとても表情から感じ取れてさすがだとおもいました。

「僕はショーンではない。アナを愛しているから」

ショーンがこのあと子供に戻るのです。
ここがまた巧い！

彼は本当にショーンではなかったのか？そこのところはモヤモヤですよ。

ショーンではなくて、別の何か深いつながりがあるのかも。
この先、まだ何かあるのではないか？と思わせる終わりはよかった。


映像がとても綺麗です。
音楽も素晴らしかった。

私は好きな映画です。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

　ありえない。馬鹿げたことだとは思うけど、実際に自分にそんなことが起こったとしたら。
　たぶん私も、アナと同じように信じてしまうんじゃないかと思う。
　もちろんつっこみたくなりますよ。もっと本当に２人にしかわからないような質問をしてみたらいいのに、とか。
　でも、きっとそういうことじゃなくて、実は初めからアナは心の奥深くで、彼がショーンの生まれ変わりであってほしい！という希望を抱いていたのだと思う。「信じちゃった」というより、「信じたい」と強く願っていたのだと思う。
　彼女が婚約者に許しを請うシーンでは切なさが増しました。
　「許してね。私のせいじゃないのよ。」あまりにさらりと軽い謝罪。あくまで冷静に、馬鹿げた騒ぎとして片付けようとしている彼女。それが逆に悲しくて。。
　彼女がショーンの裏切りを知らずにすんでよかったと思う。ジョゼフ、悲しい役回りだけど、どうか彼女を支えてあげてほしい。
　白く透明感に溢れた映像がとても美しい映画でした。ニコール・キッドマンの演技も久々によかった。

（・・ここで皆さんのレビューを読んで、更にこの作品の奥深さに気づかされました。そして、わ！花ちゃんさんとレビュータイトルがかぶっている！と焦りながら、でも、やっぱりこのままにすることにしました。。ちなみに私はアナと同じく“駆け落ち⇒大人になるのを待って結婚”だな〜、とずっと思いながら観てました。敬意をこめて。）

なあと思って劇場へは行かなかった
当たってしまったよ
ちょっとなあ、これはあんまりな作り方だなあ

存在したオチ自体は
おぉ〜〜という驚きがあってなかなか良いのだが
いかんせんそれだけ

ニコールの終始囁くような科白の喋り方も
感情の起伏が感じられない
でも行動はかなり感情的

いきなりの心変わりとか
よりを戻すよう必死のお願いとか

だからその「オチ」みたいなことになっちゃったんじゃないの？

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

＊＊＊激しくネタバレしておりますので要注意＊＊＊＊

最後までよくわかりません。
自分は夫の生まれ変わりだと主張する少年ショーン。
最初は疑心暗鬼のアナも、夫でなければ知り得ない細かな事実を知っているショーンが、本当に生まれ変わりだと次第に信じていきます。
やがて少年ショーンは夫ショーンに愛人がいた事実を知り、愕然となり、自分は生まれ変わりなんかじゃないとアナに告げます。
アナを愛するが故に嘘をついたと・・・

でも、あんなに細かい夫ショーンのことを少年がどうして知っていたのでしょう？
その事実はどうみても生まれ変わりとしかおもえません。
だとしたら、自分が浮気をしていたという不都合な記憶は置いてきてしまい、アナを愛していたという記憶だけを持って、生まれ変わっていたのでしょうか。
なので、自身の浮気の事実を知り愕然とし、アナから離れていこうとしたのではないでしょうか。
親友に思わず抱きついていった行動からも、やはり少年は本当に夫の生まれ変わりだったのだろうと思われます。

そしてラストのアナの不可解な行動の意味は？
やはり夫の生まれ変わりだったのだということに気付いて茫然自失になったということなのでしょうか？

それにしても、夫であるショーン、自分の親友の妻と浮気していたわけですよね。
おまけに妻が夫に送った手紙を（夫婦で手紙？そこも謎）開封もせずに浮気相手に渡していたとはけしからん奴です！
アナはそうとは知らず、夫の事をいつまでも忘れずにいるなんて・・・
夫ショーン、実に許せん！！

いずれにしても、もう少し何らかの説明が欲しいところです。　
自分でああだこうだと解釈してみないと結論が出ないこういう作りの映画はストレスです。
それに、本作の二コール・キッドマンは目がつりあがって見えるキツイメイクのせいであまり綺麗には見えなかったです。