アートスクール・コンフィデンシャル

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『ゴーストワールド』が大好きなので、見なければと思って見た。イケてない青春ものっぽくて途中までとても良かったけど、殺人シーンが実際に登場してからなんだかとてもB級に思えてきて話にのめり込めなくなってきた。

・・・いやでも、ちょっと待てよ。
劇中の映画監督を目指している３年なのに1年生しかは入れない寮にいる彼。存在そのものがありそうで笑えるが、実はとてもkeyパーソンになっている。
一生懸命作っている自主作製映画。
それに"恋愛を絡める”と言ってしばらくしてから、
実際のストーリー中にも主人公の恋愛話、三角関係が出てくる。
そしてまた出資者である彼のおじいちゃんが、
"この映画には銃が出てこないじゃないか”と言えば、しばらくしてから警察の撃ち合いがある。
極めつけは結局出来上がった”ルームメイトは殺人者”というドキュメンタリー映画のポスターは本作品のラストシーンと同じなのだ。そしてエンドロール後のシーンも。…してやられた。

これはメタ映画とも言うべきかな。
映画を撮っている、芸術を愛して格闘している自分達を映画にしたという感じ。原作の漫画はどうなのか知らないけど。

美大卒のアル中のおっさんはブシェミにやって欲しかったな。

キャストに惹かれてレンタルしたのですが、とんだティーンエイジャー・コメディーに当たってしまいました。
ジョン・マルコヴィッチとスティーヴ・ブシェミが出ているということを知らなかったら、途中でギブアップをして、観るのを止めていたかもしれません。
衣食住という生活の基礎、基盤の次に、やっぱり必要とされるのが芸術や音楽のような“ゆとり”を感じられる時間だと思います。

今作で扱っている「芸術とお金」というテーマは斬新で面白いのに、中途半端なストーリー展開で終わってしまうのは、もったいないなぁ。

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クリエイター志望の若者や育成環境が面白く描かれています。
私も似たような環境なので、おかしさ半分、反省半分でした。

デジタル技術が発展してきたおかげか、アマチュアクリエイターの数は増加してきてますよね。それに「作らないけど批評する」方も増えました。私も現にこうしてレビューを書いていますし。
どちらのタイプの方でも観て損をすることはないでしょう。
もし、観てつまらないと感じても、きっと多かれ少なかれ何らかの影響を与えてくれると思いますよ。
その点では大変おすすめです。


しかしジョン・マルコヴィッチ先生とアンジェリカ・ヒューストン先生が勤務する美術学校だなんて、現実にあったら入学希望者殺到でしょうね。

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けっこうマジでした。

「こーいう奴いるんだろなー」っていう、ステレオタイプなナード達を、皮肉たっぷりに描いてて、そっから、どんどんコメディな展開になってくのを期待したら、どうしてどうして。

好きな女の子のハートを射止めるために、アーティストとしてメジャーになりたい主人公が、どんどん道を誤ってって、最後は皮肉たっぷりのオチ。

これって、ある意味ハッピーエンド？

少なくとも、主人公の周りの人たちは、ハッピーになってたけど。
そして、主人公の意中の人と、最後は結ばれる（？）っぽいんだけど、彼女は、連続絞殺魔の彼氏でいいのか？？
絵が売れてりゃいいのか（笑）

他人がいいっていうからいいんじゃなくて、自分がいいって思えばそれがいいものであって、
どう感じるかなんて、その人の勝手じゃないって思ってたわたしは、美術の解説とか文学部とかって、
斜めに見ていた。いや、今はそうでもないんだけど。

その頃の自分の斜め感が、しょっぱなからばしばし描かれてて、
アート・スクールだったり、げいじゅつかきどりだったりってのをこてんぱんに揶揄してるのが
スカッときもちよくって、笑わせてくれる。

それが中盤にきて、ぐいっと映画の表情が変わって、
そこからはジェットコースター。
あ！
ってな展開になる。

面白い。
なのに、なんで売れてないのかね、この映画。パイレーツ・オブ・カリビアンだっけ、
あれより何千倍も面白いのにね。