シャイニング

冒頭、山脈を走る車を空から追いかける映像＆音楽で、否が応でも盛り上がる雰囲気。
端正な映像で、なんか格調高い作品に仕上がっています。

でも、原作者には不評らしいです。
テレビ版シャイニングの方が気に行っているとか…
見比べて見たいです。

山のホテルに、冬季の管理人として雇われた主人公一家の恐怖が描かれています。
このホテルは、貞子みたいな地縛霊がいるとかじゃなく、ホテル自体がやばいみたいです。
（でも、とても洗練されていて、いいホテルです）

ホテル内を移動する子供の後から、追いかけるように撮影するシーンとか、双子の少女とか
怖いことは怖いけど、計ったようなきれいな映像で恐怖が薄まってしまう。
霊がカクカクした変な動き（芸術っぽくないけど）で迫ってくるとかあったら、もっと怖かった。

しかし、主人公の面接時の態度、なんじゃあれ。
無駄に偉そうでヤな感じです。
主人公は悪霊のせいでＤＶっぽくなっていくみたいに描かれてますが、
悪霊関係なくてもＤＶするようになると思う、絶対ｗ

映像には凝っているけど、人間ドラマには重点が置かれていないと感じました。
カッコいい映像を楽しむにはとてもいい映画でした。

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オープニング、コロラドの風景が美しい。雪山を眺めながら針葉樹の中を走り抜ける１台の車。小説家のジャック・トランス(ジャック・ニコルソン)と妻ウエンディ、息子ダニーが乗っている。行き先は冬期間閉鎖されるホテルで、彼らは管理を任されたのです。今年は例年になく大雪となった。外は吹雪で大きなホテルに３人が閉じ込められたようなそんな状態になった。
ジャックは、過去にこのホテルの冬季管理人をしていた男が、斧で妻と２人の娘を殺し自分も猟銃で自殺したと言うことを聞いていた。このホテルが建つ前は墓地だったと言うことも・・・。
息子ダニーは、シャイニング(超能力）を持っているらしい。ホテルで双子の姉妹を見たり、エレベーターの前から大量の血が滝のように吹き出るのを見ている。三輪車でホテルの中を走り回るダニーは何かを感じているらしい・・・。ジャックは小説を書こうとするが思い通りにいかない。イライラし妻ウエンディに八つ当たりをする。そのうち幻覚を見るようになり、やがて・・・。
このホテルの庭に生垣で作られた巨大な迷路がある。なかなか素敵だが、恐怖の迷路となる・・・。
３０年前の作品の割には、映像が綺麗ですし戦慄の恐怖も味わえます。幽霊も血も出てきますが、怖いのはジャック・ニコルソン演じるジャックです。とても若く今とはだいぶ違うような気がしますが、演技はやはり天下一品です。ラストの凍りついた顔には思わず笑ってしまいました。笑う場面ではないのですが^^;彼には人を惹き付ける独特な魅力があるような気がします。
３０年経っても古さが感じられない、傑作ホラー映画だと思いました。。。

スティーブン・キングはもともと好きなのですが、キューブリックのこの映画は、惹かれてなりません。

「レッドラム!!レッドラム!!」連呼する息子、愛情をまったく忘れてホテルに支配される父親、役以前に、なにより顔がホラーと言われる捉えどころなく自主性のない母親、形のないウェルカムを持って誘い込むホテルの住民、雪と魂に閉ざされ春まで助けを望めない場所での物語。

春は思うより遠く、物語は行き場のない場所に行くべくして駆け込んでいきます。
長い廊下、正面のエレベーターから血の大波が寄せ、双子の死者が立つ、あの場所がやけに魅力的なのはなぜなのでしょうか。キューブリックの選択する色は重厚で色っぽく、潜在的恐怖を煽るアングル、シンメトリー多用の冷たい配置、なぜか漂う品位とともに押し寄せる獰猛な怒りと静けさを感じます。

閉ざされた場所で父親が最大の敵となり、家族保存の基本的な約束を奪ったシチュエーションは身がすくみ、凍死しても良いから外に逃げ出したくなりますが、裏腹にオーバールックホテルの魅力（キューブリックの映像感覚）に私もやられ、ずっとこの場に居たいという思いがしました。

シンシンと響くホラーをご希望の方にお薦めします。

私、ホラーなんて全く見れないんです・・・。だって怖いしお風呂とかはいれなくなっちゃうし、トイレ行けないし・・・
でも、最後まで見れるんです、コレ。
怖さが違うんですよね。ジャックがこわい。ジャックを怖がってる奥さんがまたこわい。
追いかけられるってホントいやですよね・・・。
双子も怖い。三輪車も怖い。もう、何もかも怖くなっちゃう・・・。

1980年　イギリス映画
原作：スティーブン・キング
監督：スタンリー・キューブリック

9月も半ばだというのに30度越えの日々が続き、観るなら今だと思い、何と43年振り2度目の鑑賞。公開当時は、劇場へ足を運びました。

舞台はコロラドにある山々に囲まれた歴史あるオーバールックホテル。こう言えば聞こえはいいが、冬季になると閉鎖される程の雪深い展望ホテルで、冬の5ヶ月間、管理人として採用された作家ジャックとその家族のお話で、最初は本を書く時間が欲しいから好都合だと言っていたジャック（ジャック・ニコルソン）も、原稿が仕上がらず苛立ちを隠せない様子。１ヶ月が経つと妻ウェンディ（シェリー・デュヴァル）に当たり散らす様になり次第に豹変してしまい・・・・
というのが私の覚えていた部分だった。これだけでも充分怖いけれど、実際に再見すると、もっと深い要素があった。
妻はともかく息子ダニー（ダニー・ロイド）は初めからホテルに行くのには気が乗らない様子。ダニーは超能力（シャイニング）を持つ少年で、過去に起きた237号室の悲劇を透視出来てしまうのだ。詳しくは述べませんがこの辺りを丸ごとすっかり忘れていたのです。

それにしても、交通網は遮断され、電話も通じず人里離れた雪山のホテルに5ヶ月間も居なければならないだなんて、私だったら絶対にムリムリ！寒いだけでも嫌なのに、誰とも会えず何処へも行けず、閉所恐怖症だったらと思うと本当に恐ろしい。

作家であるジャックとその一家が展望ホテルにやって来た年は例年にない寒波を記録し、ダニーと同じシャイニングを持つ料理主任のハロラン（スキャットマン・クローザース）がせっかく一家を案じホテルに赴くも、あんな風に一撃されてしまうのは残念だった。
原作と違う部分が多いようだが、彼にはあのホテルに到着した後、もう少し活躍してほしかった。初見時は閉ざされた環境下に置かれると人は変わってしまうのだと、ジャック・ニコルソンの狂気に満ちた変貌ぶりばかりに恐怖を感じたものだったが、「シャイニング」の本当の意味を知ると、息子ダニーこそが別の意味でもう一人の主役かもしれない、とそんな気がする。そして、ホテルそのものが巨大な”何か”にも思えてくる。