セブンス・コンチネント

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欝にこもる要素がいっぱいの一家である。その一家が普通に暮らすということは、計り知れないほどのストレスに見舞われる。
「叱らないから言ってごらん」と言い子供がうち明けると頬を平手打ちする母親。全てにおいて管理の下で育つ娘は意思を表現する当てもない。
当然の成り行きのように三人は死を望む。生きていてもそれに値するほど楽しく過ごしている人なんてこの世にいようか。
そんな世の中にあって、一家心中の有り様を見せつける。
それで、お終い。見せてお終い。子供は簡単に死に、大人は簡単には死ねない。苦しみもがく。それも見せたまんま。
蟻地獄でもがくように、一家の苦しみが描かれている。
ラストは唐突のようだが、一歩違えば、誰にでも起こりそうな不幸のように思える。
家を潰すシーンは恨みが籠っていた。過去を恨む気持ちも誰にだってあろうし、だから、非常にリアルで暴力的で悪意が籠った映画だ。

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ある一家の切り取られた数年間の日常風景。
目覚め、流れるニュース、コーヒーを飲み、靴を履き、出掛け、眠る。
繰り返される日常。

どのタイミングで誰から死を意識したろうか。
見えても淋しさを感じたからか。
子供が嘘をつくからか。
淡々とした生活の先が見えたからか。
消費するだけの人生なのだろうか。

夢の国は、死の国。
清算し、破壊し、全てから手を離してゆく。

しかし、最期までテレビを破壊しなかったのは何故だろう・・・。



特典映像のハネケインタビューによると、実際の事件を元にされたそう。
原因や心情は消され、観る側の想像に委ねられる。
でも、実際、他者には計り知れない一家の思いがあったことだろう。

子供が死を同意したのはいかがなものかとは思うが・・・。
温度を感じさせない映像と、簡単には憐憫な情へは訴えないのはハネケならではか。

イヤー　またまたすごい映画を発見できて、私はうれしい。
ＤＩＳＣＡＳさんありがとう。

この監督素晴しいですね。私ははじめて知りました。
知っている人は、知っている人なんでしょうね。

ストーリーと映像のバランスが非常に良いと思います。
ＧＯＯＤ　ＣＩＮＥＭＡです。

この監督、bookmarkしちゃいます。

『ファニーゲーム』を見ていたので、同監督の作品はしんどいんやろうなぁ〜と思いながらも、見てしまった。


毎日一生懸命に生きて、目をそらしているけれど、
ふとした時に、ふとしたことで、
虚無感が襲ってきてどんどん大きくなってくる。

後半、夫婦のしていることが、とても理解できる自分。ただ私の場合、子供はどこまでいっても希望であるので、
心中に巻き込むことなんて考えられないけれど。

この監督の作品、しばらくは見たくない。
でもまた見たくなるんやろうなぁ。

一家心中が絶望感から始まるという観点では、この作品は理解不能。
そもそも理解なんて求めていない。音楽も極端に削り取られ、破壊のリズムと描写だけの映像で、見る者に解釈を試すような作品です。

監督のインタビューでガイドラインになる話が聞けます。 説明をするのではなく、構造自体に何らかのテーマが潜んでいるようです。

一応、三部形式になっていますが、 序曲として、オープニングの中にブレーキ無用という言葉が２回出てきます。行き着くところまで行くだろうと予感できます。

提示部…舞台はヨーロッパ、オーストリアらしいドイツ語圏のある国。極力、文化的な地域性を排除しているので、英語のセリフだったらアメリカやイギリスの地方都市でも同じです。

１９８７年。ラジオのニュース、世界情勢はいつも通り緊迫している。 その中で、平凡な中産階級の味気ない朝食の風景から始まり、うつ病の妻の弟を交えた夕食まで。 ここで、夫はストレスの多い職場にいること。妻には精神的な要因が潜在的に含まれていること。娘は幼児期から脱しきれてないことがわかります。

展開部…セックスシーンから始まる。しかし、エロスも何の支えにもならない。目覚ましのラジオはイスラエルのハイジャック事件を報道している。夫は上司を追い落とす形で昇進し。弟はうつ病から奇跡的回復。

重役を招待するディナーの晩に、夫婦は交通事故現場に遭遇。親子らしいカバーをかけた遺体が道路に。それを見た妻は何かを感じ、別の日、洗車装置の中で泣き出す。

（楽式なら）再現部…ですが、ここでは文字通り事件の再現場面です。
実家からの帰りのドライブで、すでに自暴自棄。遺書のナレーションとともに破壊への準備を進めます。オーストラリアへ移住するという方便で、家政婦を解雇し、新聞を止め、預金を解約し、車を売り、当面の食材を買い、致死量の薬を処方してもらいます。

そしてクライマックス。家の中にある衣類、家具、調度品、レコード、すべての物を使用不能なまでに破壊します。
ドイツ人らしく几帳面で計画的で徹底的に。一定のリズムで破壊の欲動を満足させていきます。

金魚の水槽を壊したときは、娘はまだ本当の意味がわからず、ヒステリーの発作を起こします。
そして、娘、妻、夫と睡眠薬の大量投与で死んでいきます。
夫は理科系の人間らしく、娘と妻の死んだ日時を壁に記録し、自分は？マーク。