あるスキャンダルの覚え書き

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

女特有の羨望と嫉妬と優しさとが混ざった
友情を、
定年をまじかにしたオールドミスの女性教師と、
中年で、子育てをしていて、
美術教師として復帰した美人教師との間で描く物語。

これを、友情と呼ぶと語弊がある気がするが、
でも、これを友情とする雰囲気を醸し出す、
女性同志は、結構、よくある感じが、
男から見るとする。

ま、女性にも、いろいろ、いて、
こういう女性ばかりでないことはわかるし、
男性でも、こういう友情をする人がいないとは言わないが、、、
概して、女性に多いよね。

本作は、オールドミスの老婦人は、
レズの気もあるところはあると思うが、
それも、含めて、女性のこの手の友情のいやらしさを、
ある意味では、うまく描いていると思う。


話は、中年美人教師が、教え子と不倫する。
オールドミスである老婦人教師は、
これを目撃するが、黙っていることで、
彼女との友情を得ようとする。

というストーリー。

基本的に、話としては、
１５歳の教え子と不倫することに端を発しているものの、
上に書いたように、この老婦人の性格の問題を、
中心のテーマとしているその選択肢は、
なかなか、面白いテーマの選び方だと思う。

ただ、じゃ、映画として、面白いかというと、、、
微妙なところもあると思う。

そういう意味で、悪くはないのだが、、、
暇つぶしに見る映画でもないので、、、
人の、そういういやらしさを描くという意味では、
興味深いけど、、、面白いというほどではない。。。
そういう作品かな。。。

　登場人物の心理描写が丁寧で引き込まれてしまったので、原作も読んでみました。


　そしたら、驚くほど忠実な映画化だったんだな、と感心。

　しかも、ちょっと違うディテール、たとえば、バーバラの愛猫が死にそうになった時のエピソードなんかが、映画の方が良かったりするんですよねぇ。こういうの、珍しい。

　そして決定的に違うのがラストで、これはもう、バーバラの勝ち（原作）かシバの勝ち（映画）か、っていくらいの違いなんですけど、私は絶対、映画の方が好き！　こうであってほしいというか。

　映画の中で、バーバラの裏切りを知って激怒するシバは、なんだか初めて知的な感じでした。母親にずっと能無し扱いされて育ったおかげで、夫にも何となく隷属してしまったり、魅力的なんだけどうすらおばかさんな感じだった彼女が、あの憤怒の中で知性を取り戻し、自分も取り戻して、バーバラを振り切って自分の意思的な行動をとるところが、私は好きでした。

　原作の終わり方もじわりとこわくて気が利いてるんだけど、救いがないもんね、これは。

※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。

レビューを表示する

これは・・・心理的に怖い　サスペンス映画です。

アメリカで実際に起こった女教師の事件を基につくられた　小説の映画化だそうです。

ロンドン郊外の中学校に　新任の美術の女教師　シーバ（ケイト・ブランシェット）が来た。
その学校に勤務していた　初老の歴史の女教師　バーバラ（ジュディ・デンチ）は　シーバに興味を抱く。

この　バーバラは　傍から見て　可哀想なくらい　孤独な人。可哀想を通り越して　痛い。
唯一の友達は　飼っている猫・・・・。寂しさ感　倍増・・・。

そのバーバラがシーバと友達になるのですが　同性愛とか　そういう事ではないのですが　段々エスカレートして　病的なまで　彼女に固執していく様が　怖いです。

ある日　シーバの秘密を知ってしまった　バーバラは　してやったり！　これで　彼女を一生自分のものに出来ると　ご満悦・・・。束縛度アップです。

女が女友達に　抱く愛情　わからなくはないです。自分が一番の親友だと思っているのに　　自分以外の女友達と仲良くしてたら　嫉妬するとか　自分と遊びに行くよりも　彼氏と遊ぶ事を優先されたら　悲しくなるとか・・・。
でも　それは　女子高生なら　可愛げあるのですが　おばぁちゃんが自分より３０歳くらい年下の　女友達に嫉妬してる姿は　哀れとしか言いようが・・・・。
ジュディ・デンチのリアルな芝居は　圧巻です。一人　バスタブに浸かってタバコをふかすシーンは　実に印象的です。表現として　あんな入浴シーンがあるんだ・・・。

この映画の　最大の見所は　ジュディ・デンチとケイト・ブランシェットの２大女優演技対決ですね！！！
ケイトは　やはり　カメレオン女優ですね・・・。どんな役でもハマる事が出来る。
固そうにみえて　隙があり　しっかりしていそうで　危なっかしい　男ウケする魅力的な女性を見事に表現してましたね。
バーバラの企みに　気付いて　キレるシーンは　凄まじかったです。

結論。

やっぱり　女は怖い・・・。

かなり　見応えある　スリリングな映画でした♪

この作品は事実がもとになったと言うのは本当なのでしょうか、確かに何年前だったかはわかりませんが、このような事件はテレビ等で報道されました。刑期中も手紙の交換があり、一時的に保釈された時関係を持ち出産したとか。当時は話題になりました。その時の背景とか詳しい事はわからなかったので「愛し合っているのだから年の差なんて関係ないのに・・」と同情したりもしましたが、このドラマを観ると同情する余地なんて全くないですね。教え子スティーヴンと女教師シーバの禁断の関係は、つまり純粋な愛じゃなく火遊びだったとしか思えません。スティーヴンのあのひと言はシーバには残酷でした。もう少し美しく切ないラブストーリーがあると思ったのですがちょっと残念でした。初老の女教師バーバラは作者が作った架空の人物なのでしょうね。バーバラの登場によってこの物語は引き締まっています。一癖も二癖もありそうなバーバラ。プロローグはバーバラで始まり、エンディングもバーバラで終わりました。

　シーバ（ケイト・ブランシェット）はバカな新任女教師だ。バーバラ（ジュディ・デンチ）は定年間際の孤独な女教師で、友情を絡めて同性愛に走る異常な執着心を持っている。シーバには師弟関係の禁断愛に陥りやすい性癖があって、その衝動を抑えられないのが致命的。大なり小なり多くの人間が持っている異常性、それが何かの切っ掛けで増殖し運悪く歯車が噛み合った時大きなスキャンダルに発展するのかも知れない。サスペンスタッチで描かれる人間模様は中々興味深い。修羅場でのケイトの熱演はかなりのもの。演技派女優の共演は見応えがある。