魔王

2008年の連ドラの中では一番印象の残る作品でした。
メインの二人はもちろん、サブの俳優・女優の方々の演技も安定していたと思います。
生田君はこのところ学生役しか見ていなかったせいか若干違和感は感じましたが…。

内容に関してはやはり原作が２０話で放送しているものを１１話でやったのは若干無理があったかなと思います。
各々のエピソードをうまくつなげてはいるものの、最終話でバタバタと亡くなっていく(特に射殺はどうかと）のは個人的には辻褄合せに思えました。

せめてもう一話ぐらい時間の余裕があればとは思いましたがよく出来た作品だと思います。

日本でリメイクされた「魔王」ですが、作品として崇高なものを目指すというより、実験的な匂いのしたドラマでした。
とりあえず脇はベテランで固めるから、ジャニーズや若手俳優の起用でどこまでできるか挑戦した・・・と言ったような。。。
その意味で、主演の三人はそこそこ演じられてましたが、韓国版より脚本が下手な分、演技力があっても足を引っ張ってる感が残りました。
まぁ、話数が少ない分、構成や脚本をコンパクトにしなければならない苦労は分かりますが、その分説明的なセリフが多く、残念ながら
違和感を感じたシーンが多かったように思います。
その点、長々と倍の２０話もある韓国版は、ドラマのテンポにイライラすることもある反面、
セリフはシンプルで意味深いものだけを散りばめても、ストーリーは繋がって行くので有利でした。
また、日本版は若年層にウケるようなキャスティングになっており、役自体も、そのカラーが
なんとなく今様の文化なのかな、と自分には合わないテイストでした。
例えば、刑事役。韓国版はハンサムとは言えない容姿にがっしりした体格、粗雑で乱暴、
刑事としての頭の回転は早いが、教養はあまりなさそうな描き方。走り方も昭和してました。（太陽にほえろ！とかね）
そこに、善良な温かみを上手く加味して、哀愁漂う音楽で演出してました。苦しみも悲しみもオーバーなまでの演技だけど
妙にその熱意が伝わってきました。感情移入しやすかったんですね。
一方、生田くんは、外見からしてどう取り繕ってもお洒落で繊細で、優等生的。
謝罪のシーンもセリフが上滑りしているような違和感を感じてしまい・・・。
サイコメトラーも、韓国版の彼女は、若き日の田中美佐子的おおらかさと優しさがあり安心して
観てられましたが、日本版の女の子は妙に幼く、セリフも高揚しすぎたところがあって、もう少し大人っぽい女優さん
を起用してもよかったのでは？と思えてなりません。
大野君の演技は評判良いけど、脚本が悪い。正体バレて、いろいろな人たちからの働き掛けで
徐々に動揺や感情が顔に出てくる終盤のセリフがいまひとつ。演技が光っていたのでもったいないです。
韓国版の弁護士は、無口でほくそ笑むか微笑むか、とても静かな演技が終盤でも光っていました。
もちろん、心の動揺や感情を出すシーンも多々出てきましたが、二重人格的に暴れたりとかはなく、やはり静の演技で
うまく抑制していました。ガラスに流れるお酒越しに映る表情で泣きを表現したりとか、
自嘲的なひきつった笑いから哀しみの微笑みへ自然と移って行ったり、静かに流す涙だったりと、雰囲気を壊さない努力があった。
結局、このドラマの魅力は、弁護士、刑事、サイコメトラーの役割のバランスがうまく行かないと
引き出せないんですよね。
その点、韓国版は弁護士と刑事の演技力の張り合いというかぶつかり合いに迫力があり、サイコメトラーが常に
その緩衝剤を上手く演じ、ラストの彼女の涙の演技で強烈なインパクトを残したと言う意味で、三者のバランスが上手くとれていたんです。
日本版は、ちょっと刑事役の押しが弱いのと、サイコメトラーが記憶という形で彼らのすべてを背負って生きて行かなくてはならない
気の毒なラストは、あの涙のシーンだけで十分だったのに、蛇足にも海辺の変な散歩シーンがあってぶち壊し。
そんなこんなで三者のバランスがいま一つ悪い。
それから、なんでもかんでも殺しでエンドって発想も気に入りませんでした。刑事の兄もそうだし、いじめられっ子だった彼が
刃物を振り回す殺人狂のような最後も余計。弁護士が彼に「終わり」を告げたのに拒否した時点で、
彼のモンスターへの変貌ぶりがわかり、それだけでも十分悲劇が伝わっていたのに。日本版は余計な贅肉が多すぎ。
あのいじめられっ子も、韓国版の方が吃音交えての怪演ぶり、よかったです。

というわけで、日本版リメイクは個人的には韓国に敗退した感じです。
（日本人としてちょっと悔しいです。もっと海外に誇れるいいドラマ作ってくださーい！お願いします。）
同じように主観バリバリに評せば、日韓両国さらには原作者からもものすごく評判の良い
韓国版「白い巨塔」では、個人的には田宮・唐沢の日本版テイストの方が好きですけどね。

ツタヤのレンタルだと、2枚ずつ届くから、ある意味ありがたいです。
もうイッキに見まくっています
面白すぎて止まりません
次に届く分でとうとう最終回があるんだと思うと・・・
とにかく、大野くん演じる成瀬の陰の部分がとても切なくて
じんわりと涙が出てきます
いよいよ佳境です！

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前半は「おお！こういう仕掛けかっ！！」とワクワク感があり、次回が楽しみになっていましたが、後半がイマイチ。
後半に入ってくると、全く「魔王」の部分が影をひそめてしまい、結局善人でした〜的なシナリオが物足りなかったなぁ。
つか、セリフがくさい！クサすぎる！！「少しだけ顔を上げてみてください！木々のざわめきが聞こえませんか？〜」みたいなくだりは、ちょっと引いた。
もう少し「天使」の顔と「魔王」の顔の温度差を激しくして欲しかったと思います。
主人公二人の演技は割と良かったと思いますよ。
ドラマのテーマは私たちの身近にひそんでいるだけに、リアルな感じがありました。
でもセリフが…（涙）

最後まで見終わりましたので、☆三つかな。

韓国版を見てますが、かなり忠実ですね。

大野くんはちょっとミスキャストじゃ…と思っていましたが、
かなりいいです！！

物腰は柔和なのに人を寄せ付けない感じとか、
笑顔なのに内心は全然違うとか、
大野くんならでは！な演技だと思う。
（これが同じ嵐の桜井君だといい人過ぎるし、
松潤だと憎しみをストレートに出しそうだし
二宮君だともっと策士になりすぎて
合わなかったんじゃないかと＾＾；
勝手な想像ですが。）

生田斗真くんは、「花ざかりの君たちへ」のイメージが
強すぎて、今回の役はちょっとつらい感じが…。
茶髪でコメディの方が見てて安心できます。