マッドマックス　怒りのデス・ロード

しびれる。誰かのレビューにロックミュージックってあったが、そのとうり。
見ていて気持ち悪くなる場面もあるが、こういう世界はクスリで、
頭がいかれた人の妄想めいていて、常人の想像以上。
戦場のミュージシャンもいて、竹竿を揺らして飛び乗る場面もいい。
ほとんど実写というのもいい。しかも制作しているのが、けっこうな年の爺さん連中なのもプロらしくていい。ハリウッドもまだ死んでない。

マッドマックスは、1作目がいいね。
今回作も含め、2作目からは荒野を駈けぬけるシーンだけ。

う〜ん...これは評価が分かれるだろうなぁ〜
確実に言えるのは、あっしらオジサン世代が憧れたメル・ギブソン主演のこれまでの作品とは内容的に別物ということ。
Ｖ８インターセプターを操り、悪辣な奴らを倒していくマックスのアクションがメインではなく、砂漠での延々と続く戦闘アクションがすべてで、全編戦争映画の雰囲気である。ジョージ・ミラー監督のあの終末世界観は同じで、むしろ核戦争後の荒廃した未来世界の悲惨な様子はレベルアップしている。

ストーリーはもう単純で、どちらかというと映画というよりは過激なロックミュージカルを見てるような気分になる。なので、内容的にはオリジナル１、２作のほうがずっとおもしろい。しかし、本作には今までに盛り込まれなかった監督の主張のようなものが私には感じられた。それは何かというと、今進行しつづける環境破壊の深刻さに対する警告ではないかと思うのだ。

追っ手を振り切り、故郷の女性たちと合流したフュリオサたちは塩の湖を渡ることを決断する。その後を追いかけたマックスは彼女らを引き留め、「行ってもその先には何もない」からと、必死で脱出してきた水と緑のある“地獄の砦”へと引き返すよう説得する。そして砦へと戻る途上イモータン・ジョーらと再び激しいバトルとなり、仲間たちの犠牲を出す破目になるのだが、なぜ監督はわざわざ砦へと引き返すというシナリオをとったのか。それは、人間が生きていくうえで最も大切な“水と緑”の重要性を訴えたかったからではないか。地球環境をこれ以上破壊してはいけないというメッセージが込められていると私は受け取った。
しかし、今世代の人たちに、この世界観がどれだけ受けるのかなぁ...
バラエティ天国の享楽社会と化した日本で、その危機を真摯に受け止めている人はどれだけいるだろうか...

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これは新しいマッドマックスです！今までの旧シリーズの続編ではありません。
いや、マックス自身の設定や核戦争で文明社会が崩壊した等の設定は引き継いでいますが、その辺は本編では詳しくは語られません。主人公(のはず)のマックスに至っては、
・マックスという名前
・元警察官
くらいしか明確に語られていません。旧シリーズでの出来事はほぼほぼ引きずっていない。だからこそ、旧シリーズを知らない人たちでも全く気にせず楽しめるんです。かくいう私も今作でマッドマックスシリーズを知り、慌てて１から借りに走った口です。
今作自体はさいっこうに！マッド！です（笑）世紀末な改造車、白塗りの集団、火を吹くギター、惜しげもない爆発！怒涛の二時間です。
しかし、この映画の魅力はただ「ヒャッハー」なだけじゃないというところです。どこまでも美しく計算し尽くされた構図。言葉で説明しない、完璧な演出。もう二三本映画が撮れそうなくらい極々細部まで作り込まれた設定。隠された意味。作り手の尽きない情熱。それらが何層にも重なって表面に「ヒャッハー」を作り出しているのです。
ジョージミラー監督は、ヒッチコックの「日本の人たちが字幕なしでも楽しめる映画」という言葉を常に意識しながら作品作りをしているそうで、今作もその意識が強く表れています。物事を登場人物たちに言葉で説明させるのではなく、「画」で「演出」で理解させる。映画って本来そうあるべきですよね。その意味でもマッドマックス怒りのデスロードは正しく「映画」しています。これは新しい映画のあるべき姿だ。いや、何も皆が皆、白塗り集団に車を爆走させろと言ってるんじゃありませんよ？（笑）姿勢の話です。
まあそんな映画ですので、観客側にもしかるべき姿勢が求められます。くどいくらい分かりやすく説明文を喋らせる今までの映画を観るようなつもりではいけません。映像に、演出に、演技に、込められたメッセージを自らもぎ取るような覚悟でいないと、初めて観た時の私のように画面で起きてることを追うのに精一杯で、何がなんだか分からないまま二時間が終わります（笑）それはそれで楽しかったですけどね。
ともかく私はこの映画のおかげで、いかに今までの映画に甘やかされていたかを思い知りました。そしていかに今までの映画に無意識に不満を抱いていたか。
今までの映画って、サービスのつもりなのか「無駄な恋愛描写」「無駄なお色気シーン」ってどうしてもありますよね。アクション映画で唐突に挟まれる美女とのキスシーンとか。キャーキャー泣きわめくだけの恋人を主人公が助けたりとか。女性はか弱くて性的に魅力があって助けなきゃいけない存在という扱われ方。これに正直うんざりしてたんです。あーまた唐突に恋に落ちちゃうんですか。エンディングはキスで終わりかな？あーまた泣きわめくだけのヒロインですか。たまには自力で何とかしたら？時代錯誤かよと。
しかし今作では女性がただ性的に消費されるだけで終わらないんです。消費されることにNOを突きつけ、立ち上がって戦う。主要な女性登場人物は14人ほどいますが、みーんな戦うの。キャーキャー泣きわめいて主人公にキスするだけの女はいない。
シャーリーズ・セロン演じるフュリオサなんかすごいですよ（笑）まず丸坊主。これはセロン自身の提案だそうですね。格好いい。そしてさらに隻腕。左腕に大きくて重そうな義手をつけています。これだけでもうただのヒロインじゃないのは分かりますよね。さらに言うとネタバレですが、このフュリオサ、マックスとガチの殴り合いで互角かそれ以上に闘います。そうです。彼女はヒロインじゃありません、もう主人公です！（笑）冒頭で主人公(のはず)のマックス、と言ったのはこういう理由です。
この映画はタイトルは「マッドマックス」ですが、原題のサブタイトルは「Fury Road」となっています。フュリオサの名前はこの怒り狂うという意味の「fury」から来ているそうで、この映画は、実はマックスという人物が居合わせた、怒れる女戦士フュリオサ、引いては怒れる女たちのお話なんですね。
マックスは、狂った世界を支配する独裁者に立ち向かう怒れる女たちに巻き込まれた、ただの通りすがりの男なので、観客から見たらそんなにマッドじゃありません。むしろ一番まともかも（笑）
まあ長々と語りましたが、とにかく観てみてくださいマッドマックス怒りのデスロード！出来れば二回。とにかく情報量が多いので一回で全部受け止めきるのは難しいと思います。そしてもし近くの映画館で上映しているようなら絶対！映画館で！！家のテレビで観るより断然オススメしますよ！以上、ウォーボーイがレビューしました。V8！

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敵だった兄ちゃんが改心しただけが救いのストーリーwww

まあアクション的には楽しめるけどマックスの名前って必要？
つうか、ラストシーンでいつの間に下に降りたんだ？www