ヒーロー　靴をなくした天使

奥村チョコレートさんの言うとおり、この映画は現実社会の縮図を表していると思います。その現実に少し誇張を加えてやることでマスコミのあり方やヒーロー（偶像）などに対する風刺がさりげなく効いていて、私はなかなか良い脚本だなと思いました。アメリカでヒーローというとスーパーマンやスパイダーマンなどの超人＆無欠の善がステレオタイプですが、この映画ではそのあたりも真っ向から否定して「そんなやついる筈無いじゃないか」といっている気がします。
で、気になって脚本のデヴィッド・ウェッブ・ピープルズって調べてみたら、作品の大半がＳＦなんですね。しかもなんとあの「ブレード・ランナー」にも参加しているではないですか。あとＳＦではないですがクリント・イーストウッド監督作品の「許されざる者」で全米批評家協会賞の脚本賞を受賞しています。
ダスティン・ホフマン、アンディ・ガルシアのダブルキャストが主役なんだけど、実はもう一人の大きな主役があって、それは「群集」なんですね。

かなり地味目の映画ですが、佳作ですよ。

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事前情報なしでの鑑賞。

Ｄホフマン、Ａガルシアが出てました。

タイトルからまったく内容が想像つかなかったんだけど
ダメ男？悪党？がたまたま車運転中に
目の前で飛行機墜落事故に遭遇してしまい、
咄嗟に人助けするもすぐに姿を消し、
世間が彼のことを探し始める・・・・という話。

主人公のラプラントは立ち去る際に靴を片方なくす。
あまり目立ちたくないために、
自分の手がかりとなるであろう「靴」の片方を
ホームレスのバーバーにあげちゃいます。

ですが、マスコミが墜落事故から人命を救った男を「ヒーロー」として
賞金付きで探し始めたことでメンドクサイことが起きる・・・。

正直ハートフルな話にもっていくのかな？っていう予想があったので
ちょっと違った展開に肩透かしではありましたが、
これはこれで飽きずに観れました。

ホームレスのバーバーが「ヒーロー」に名乗り出て賞金をゲットしたり
それをネタにしてドラマ（映画？）を撮ったり
実際にもありそうな話で（笑

偽って名乗り出たバーバーをマスコミが追い込んだために
彼がビルから飛び降りようとしたり・・・
そんな場面がちょっとマスコミを皮肉っているかのようにも見えました。


また、真のヒーローがダメ人間で
ニセのヒーローがホームレスながらも意外に心がキレイ
っていう設定も、お話自体に面白みを加えています。

シリアスな展開になるかと思いきや意外に軽いタッチ。
結果どちらも「ヒーロー」にはなりそこねてますが、
無難にハッピーに終わって、なんの引っかかりも無くつるっと観終えることができました。

ＤホフマンよりもＡガルシアの泣きそうな顔とかおどおどした演技など
ヘタレッぷりのほうが良かったです♪

芸も何もないこの作品。
「群衆（41）」それ以上に　善人の象徴として
祭り上げられるババーと、本物のヒーローなのに、
らしからぬ素行でつまはじきにされるバーニーと
ストーリーの光と影の抱き合わせが素敵です。

この作品に善人度100％の人物は出てきません。
弱さを持ち合わせた　そこそこの善人であるが故に
愛おしく　現実感を持った軽口の人生賛歌に
仕上がっています。

本当にキャラ立ちしていること以外に　芸がないです。
私のここ3年ぐらいのジンクスに
‘パクり(リメイク・オマージュ)に面白いものなし’
というのがあるのですが　これは面白かったですよ。

何より　この時期のアンディ・ガルシアとても素敵ですね。

　脚本の素晴らしさが際立っています。
はじまって４０分くらいまでは食べたり飲んだりしながら気軽に
観て、中盤からは飲食を忘れて話に引き込まれ、
後半からラストまでは感動します。
　前半で「なんかありがちっぽいＢ級ぽい話」と、ＤＶＤの電源または取りだしボタンを押してしまった人もいるでしょう。
しかし、押さなかった賢明なひと、またはただ暇だった人
またはダステインホフマンのファンの人等・・は、隠れた宝石を、形の良いただの石を掘ろうと思っていただけなのに図らずも掘り当ててしまい、映画好きの友人に早く自慢したい！という心境に強烈にかられることでしょう。　隠れた傑作をお探しの映画好きのあなた！観ましょう。

　＊物語は、ケチな泥棒バーニー（D.ホフマン）の裁判シーンからスタートする。序盤から、冴えない男バーニーの様子が展開される。そんなバーニーが、偶然、飛行機事故に出くわし、渋々ながらも乗客を救助する。その乗客の中には、TVレポーターであるゲイル（J.デイビス）も居合わせ…。ここから、マスコミの力を使い、勇敢な謎のヒーロー探しが、始まる。ヒーローの手がかりは、残された片方の靴だけ…。１００万ドルのお金欲しさに集まる、偽のヒーロー達…。その偽のヒーローたちの中から、本物だと認定されたホームレスのババー（A.ガルシア）…。冴えない男バー二ーは、どういった行動をとるのだろうか？片や、ヒーロー扱いされるババーは…？

　＊感想は、序盤はダルかったが、途中からはどうなるのだろうと、物語に引き込まれてしまった。本物のヒーローであるバーニーは、ヒーローとはかけ離れた存在であり…、片や偽のヒーローであるババーは、ヒーローそのものの心根を持つ人物…。そしてTVを通じてどんどんヒーローを具体化していく視聴者達…。言葉にすると、ややこしいが、おもしろいテーマだった。
　残された片方の靴だけが、ヒーローの手がかり…というのも、面白かった。命を助けられたゲイルにとっては、シンデレラ童話のように（男女が逆ではあるが…）王子様を探す手がかりだったのかもしれない。
　とにかく、序盤さえダルいのを我慢すれば、最後は心温まる映画のように思う。
　ぜひ、身近に感じるヒーローを体験してください。