ラブ・アゲイン

好きな人の横で目が覚めたら、やさしい愛が入った小さな箱が、枕元にそっと置かれてあった・・
そんな素敵な映画でした♪

愛の始まり、愛の終わり・・・
男女の微妙な空気感を、ちょっとした１ショットの映像で絶妙に表現
そんな見せ方の上手さも、随所にキラリ☆と光って
ライアン・ゴズリングの“シュ”っとしたスタイリッシュさも然ることながら
どこか大人で、でも未熟で、まっすぐに生きたい自分がいて
お下品ラブコメとは一線を画す、センスの良さを感じさせるラブコメでした♪

そんなセンスの良さは、コミカル描写でもキラリン☆
ゴリゴリ・ゴズリング・プレイボーイの愛の手ほどきｗ
Vネック族の生きザマｗｗｗ
財布の面ファスナービリビリビリで、あんな笑わせるっ！？
スティーブ・カレルも、相変わらず上手いです♪

あっ！っと驚くような
観る人によっては、あまりに単純すぎる、意外な繋がり
でも、私にとっては素敵なサプライズ！
ここで、簡単に収束してしまわない、父親カレルとしての、もうひと踏ん張り

愛にとろけて終わりじゃない

程よい弾力を残したまま
甘酸っぱい後味も一緒に
どこかで覚えた愛の感触が、こちらにも蘇る・・・
そんな終幕♪

ゴズリングのゴリゴリ加減に、口あんぐり(笑)
最近、飛ばしてますね〜、彼。
『スーパー・チューズデー』観に行こうっと♪（←単純ｗ）

びっくり！！めちゃくちゃおもしろかったです。

すべてが順風満帆にみえる、結婚２０数年目の夫婦キャル（スティーブ・カレル）とエミリー（ジュリアン・ムーア）。
ところがふたりでディナーの途中、夫は妻から突然離婚を切り出されて茫然自失。
夜な夜なバーに通って愚痴をこぼすキャルだが、そこで知り合ったプレイボーイ、ジェイコブ（ライアン・ゴスリング）から手ほどきをうけ、ファッションセンスや会話術を磨く。
一方、女を口説くのなんてお手のもののジェイコブだが、ハンナ（エマ・ストーン：かわいい！！）という女性に本気で惚れてしまう。

初めはウィル・スミスの「Hitch」みたいだなと思っていたのですが、予想外の展開がいろいろ用意されていて楽しめました。

妻エミリーの浮気相手がケビン・ベーコンで、キャルが妻以外の女性で初めて関係を持つのがマリサ・トメイと豪華！！そして彼女がキャルの家族と意外なつながりを持つ人物だとわかり（笑）。

キャルの１３歳の息子は、１７歳のベビーシッターに恋をしてるのだけど、彼女に送ったメールが
「デミ・ムーアの夫は１５歳年下だよ。」ちょうどふたりが離婚した頃だったので、タイムリーで爆笑。
そしてこのベビーシッターを巡って、思わぬ三角関係に（笑）。

ジェイコブの口説きの究極の手段が、なんと「ダーティ・ダンシング」。
パトリック・スゥエイジばりにリフトしてあげると、女性はその気になるんだそうで（笑）。
なるほど！だから「ハート・ブレイカー」でもこれをやってたんだ！！
そして、ジェイコブが惚れたハンナにも意外なつながりが！！

原題は「Crazy、Stupid、Love。」なんだけど、まさに中盤まではcrazyでstupidなのに、最後に愛に包まれて、とってもよかったです。

ライアン・ゴスリングがめちゃくちゃかっこよくて、一気にファンになりました。

気持Ｅです。
観てる最中も
観終わった後も
とても気持のＥ作品です。
雨上がりの虹架かる青空のように
物語の中で登場人物が色んな問題や悩みを抱えても
止まない雨はない、の如く。
ちゃんと「明日晴れ」がやってくることを
無意識のうちに信じられるような
そんな気持ちよさを与えてくれる作品でした。
この感覚は「ラヴアクチュアリー」近いかもしれません。
ライアンはカッコよく
エマは可愛らしく
マリサ・トメイやジュリアンは
中年になって衰えるどころか溢れる魅力を発揮し
誰にも感情移入でき
誰もを応援したくなって
その誰もに笑い
誰もと共に悲しむ
そういう共有が出来る作品。
そして今回なんといっても
ボクにとって衝撃的だったのは
スティーブ・カレルが初めてハマったということです。
今まで何作か彼の作品を観てきましたが、
全くハマることがありませんでした。
彼はどコメディを演じるより
こういう役のほうが響くのかもしれません。
とても良かったです。
全てのエピソードに
最終的には相手を包み込む優しさ
愛という言葉にも置き換えられる包み込む力がありました。
こういうのは何度観てもいいですね。
心が晴れ渡ったときの笑顔って
なんともステキです。

監督は「フィリップ、君を愛してる」のお２人でしたか
言われてみれば確かに作品の中の空気の「キラキラ感」が一緒かも。

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いやはや。これほど大多数の（特に女性の）レビュアーに絶賛されている映画なのに、私には全然その「面白さ」が分からない。余りのことに実はかなりショックを受けており、このところヒマさえあればその「理由」を考え込んでいたのですが、昨晩寝入リバナにハタと思い当たったことがあるのでそれを書きます。従ってこれは映画のレビューではありませんので、ヒネクレ老人の戯言に興味の無い方はスルーして下さるようお願いします。

オハナシは一応20年以上連れ添った妻エミリー（ジュリアン・ムーア）に突然離婚を切り出されちゃう夫キャル（スティーヴ・カレル）と、落ち込んでるキャルに「女にモテる秘訣」を指南するモテモテ男ジェイコブ（ライアン・ゴズリング）を「狂言廻し」にして、この二人の男に関係する4人の女性たち、エミリー、ジェイコブと結婚することになるハンナ（エマ・ストーン）、キャルとバーで出会ってセックスしちゃうケイト（マリサ・トメイ）、エミリーとキャルの息子ロビー(13歳)の「子守り」のアルバイトをしている17歳のジェシカ（アナリー・ティプトン）の、それぞれの「Love Affair」を同時進行で群像劇風に描いていって、ラストに「実は…」とオドロキのネタバレで締めるという、まぁ割と凝った筋立てですがラブコメにはよくあるパターンです。で、私にとってこの映画が「面白くない」「理由」は何かと言うと、4人の女性それぞれのエピソード全てについて、彼女たちの「愛」が「始まった」（又は「終わった」）「理由」が「描かれていない」からなんですね。
エミリーはキャルと20年以上も夫婦していて、3人の子供がいて、キャルが浮気したのでも無く、自分の浮気がバレたワケでもないのに自分から離婚を切り出すのは、よっぽどキャルのこと嫌いになって片時も一緒にいたくないのか、それとも浮気相手のデイヴィッド（ケヴィン・ベーコン）のことをよっぽど深く愛しちゃったのか、どちらかだろうと思ったんですが、どうもそのどちらでも無さそうなんですね。何と無く浮気して、何と無く離婚したように見える。少なくとも「理由」は描かれていない（と私には見える）。
ハンナは見境なく女に手を出すジェイコブに自分から抱きついていってセックスしちゃうんだけど、その直前に自分の勘違いが原因で大恥かいたからヤケになっていたのが「理由」だとすると、いくらチャラ男でもそれって余りにもジェイコブをバカにした話ですよねぇ。それともチャラ男ってバカにしたフリしてたけど実はハンナは彼のこと前から「愛して」たんですかね？少なくともそこは全然描かれていないから「理由」が（私には）分からない。
ケイトは小学校の先生ですが、生徒の父親が飲みに来る可能性が大いにあるバーで公然と男漁りしてて、実際キャルとデキちゃう。かなり性根の据わった淫乱女でセックスだけの関係と割り切ってるのかと思ったら、父兄面接に現れたキャルに「電話くれなかった！」と噛みついたり、エミリーと「鞘当て」始めたりしちゃう。ケイトのキャルへの「愛」は一体どこで芽生えたんでしょうかね？少なくともそこは描かれてない（と思いますが）。
ジェシカはエミリーに愛想尽かされてるくらいダサいキャルを一途に愛してる「らしい」んだけど、その「理由」は描かれていない。まぁそれはいいんだけど（？）、バカな友達にそそのかされて自分のハダカ写真をキャルに送って自分の「愛」をキャルに伝えようとする。17歳の女の子らしくて「微笑ましい」ということなんだろうけど私は全然笑えなかったですねぇ。「女にとって『愛』とは『セックス』のことである」という、この映画に一貫している「大前提」がここで「あからさま」に出ているように思えて不快でした。

「愛の理由」なんて「無い」ことはよく分かってます（長く生きてますから）。まして「ラブコメ」にそれを期待するなんて全く馬鹿げてます。でもね。私にとってラブコメは「ラッキョウの皮剥き」が「面白い」んですね。この映画ホントにつまらなかったなぁ。

　とてもとても素敵なお話でした。
　何度も笑い、そして何度も泣いてしまった。

　評判高いだけあって、よく練られた脚本ですよね。それぞれのエピソードが繰り返し山場を迎えてはカタストロフ（破滅）を招く起伏に富んだ展開にずっと惹きつけられっぱなし。演出も上手いと思う。冒頭のレストランでの食事シーン、テーブルの下の脚のショットが続くところが面白いです。足先が触れ合ったりしている他のテーブルの客たちと違って、主人公夫婦はストンと脚を降ろし微動だにしない。テーブルの下に隠された親密な空間がしんと静まりかえって２人の間に隔たりがあるのが良く分かる。「ルビッチ・タッチ」なんて言ったら誉めすぎかもしれないけど、こういうのはすごく好きなテイスト。

　或いは母親の浮気相手とティーンエイジの息子とのやり取り。ソファに座った男が媚びるように「君はサッカーが上手なんだってね」と話しかけると、息子は自分の椅子の座面をぐーっと上げて相手を見下ろしながら「ウチの両親を離婚させたんだってね」と返す。「このヤロウっ」って気持ちを一瞬の「画（え）」と「動き」でズバンと表現しているのが小気味よい。

　とにかくキャラ造形がしっかりしているなぁと感心しましたね。例えば、奥さんに浮気されちゃった主人公キャル（スティーブ・カレル）をカッコよく変身させてサポートしてくれるジェイコブ（ライアン・ゴズリング）。こいつがものすごいチャラ男なんだけど、「なぜ、こんなに面倒を見てくれるのか」と尋ねるキャルに、「ある人に似てたから」と答えるのですね。実は彼の父親がやはり不器用な男で、奥さん（ジェイコブの母親）に逃げられたって事が後で分かる。遊びの恋愛を繰り返しているジェイコブが、本当は寂しさを抱えていて、愛に裏切られた心の傷の深さとその痛みを分かっている奴だというキャラ設定は、この男の人物像に陰影を与え実存の深みを加えていると思う。

　大体、遊び人の男がある日真実の愛に目覚めるなんつぅ凡百のラブストーリーには「んな訳ないじゃん」と鋭角ナナメ目線なんです、いつもの自分は（苦笑）。でも、この度は素直に物語に入っていけた。彼が恋に落ちるプロットも実に上手く出来てるんですよね。これまでのジェイコブは女を口説くときは相手を完全に自分のペースに巻き込んで、会話も行動も自分がイニシアティブを取っていた。おそらく彼は「自分は女性を完璧にコントロール出来る」という自信と、「女なんて結局はその程度のもん」という侮蔑に似た諦念を持っていたんだと思う。

　ところが、ハンナ（エマ・ストーン）はそれまで彼が出会ってきた女性たちとは全く違った。突然現れたかと思ったら情熱的なキスをして、彼の手を取って店から連れ出すなんて荒業をやってのける女性。家に行ってからも彼のいつもの口説きワザを予想外の行動で覆していく。会話も完全に彼女のペースで、うながされるままに服を脱がされたり次の手を明かしてしまったりと、プレイボーイ形無しのジェイコブ。でもなんだか楽しそう。そりゃそうだよね、自分の手中には収まりきらない「想定外」の女性ハンナは、さぞかし新鮮で魅力的だったろう。惚れちゃう訳だ。

　メインプロットのキャルと奥さんとのエピソードも勿論イイ。出て行ったあとも家の庭の様子が気になるキャルは、夜な夜な忍びこんでは手入れをする。家の中で妻と子供たちがくつろいでいる姿を暗い庭の片隅から見守るキャル。ここで奥さんがキャルに電話をしてきて、そのやり取りが泣けるのです。話の内容は「ちょっとした用事」で寂しいとか恋しいとか一言も言わない。これがいい。穏やかで何気ない会話の中に、互いを想い合う心情がくっきりと浮かびあがる、胸を打つシーンです。

　そんな訳で、もう全篇ロマンチックラブ・イデオロギー（「運命の人と結ばれて一生恋愛関係を維持すること」を至上の幸福とする考え）全開なんですが、なんだかんだ言ってもやっぱりこれが気持ちイイんですな（苦笑）。映画では夢を見たいので、こういう「キレイごと」は美味しくいただくことにしています。はい、もう満腹、大満足であります。