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ナチスの迫害からユダヤ人を助けようと奮闘するひとりの男の実話を元にした戦争ドラマ前編。ナチスの支配下にあるハンガリーを訪れ、ユダヤ人の迫害を目の当たりにしたイタリア人・ペルラスカは、公使館の領事に成りすましユダヤ人を匿うが…。
製作年: |
2002年 |
---|---|
製作国: |
イタリア |
原題: |
PERLASCA. UN EROE ITALIANO/PERLASCA: THE |
監督: |
アルベルト・ネグリン |
---|---|
出演: |
ルカ・ジンガレッティ 、 アマンダ・サンドレッリ 、 マチルダ・メイ 、 ルカ・ジンガレッティ 、 ジェローム・アンガー 、 アマンダ・サンドレッリ |
脚本: |
サンドロ・ペトラリア 、 ステファノ・ルッリ 、 サンドロ・ペトラグリア |
原作: |
エンリコ・デアグリオ |
音楽: |
エンニオ・モリコーネ |
ナチスの迫害からユダヤ人を助けようと奮闘するひとりの男の実話を元にした戦争ドラマ前編。ナチスの支配下にあるハンガリーを訪れ、ユダヤ人の迫害を目の当たりにしたイタリア人・ペルラスカは、公使館の領事に成りすましユダヤ人を匿うが…。
製作年: |
2002年 |
---|---|
製作国: |
イタリア |
原題: |
PERLASCA. UN EROE ITALIANO/PERLASCA: THE |
監督: |
アルベルト・ネグリン |
---|---|
出演: |
ルカ・ジンガレッティ 、 アマンダ・サンドレッリ 、 マチルダ・メイ 、 ルカ・ジンガレッティ 、 ジェローム・アンガー 、 アマンダ・サンドレッリ |
脚本: |
サンドロ・ペトラリア 、 ステファノ・ルッリ 、 サンドロ・ペトラグリア |
---|---|
原作: |
エンリコ・デアグリオ |
音楽: |
エンニオ・モリコーネ |
1〜 2件 / 全2件
ナチスの迫害からユダヤ人を助けようと奮闘するひとりの男の実話を元にした戦争ドラマ前編。ナチスの支配下にあるハンガリーを訪れ、ユダヤ人の迫害を目の当たりにしたイタリア人・ペルラスカは、公使館の領事に成りすましユダヤ人を匿うが…。
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
100分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/イタリア語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
CFTD189 | 2007年09月05日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
7枚 | 0人 | 0人 |
ナチスの迫害からユダヤ人を助けようと奮闘したひとりの男の実話を元にした戦争ドラマ後編。スペイン領事に成りすまし、ユダヤ人を匿うペルラスカの前に、迫害を指示する矢十字党が現れる。なんとか彼らをやり過ごしたペルラスカだったが…。
収録時間: | 字幕: | 音声: |
---|---|---|
100分 | 日本語 | 1:ドルビーデジタル/ステレオ/イタリア語 |
レイティング: | 記番: | レンタル開始日: |
CFTD190 | 2007年09月05日 | |
在庫枚数 | 1位登録者: | 2位登録者: |
7枚 | 0人 | 0人 |
1〜 2件 / 全2件
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1〜 2件 / 全2件
1〜 2件 / 全2件
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ナチスによって迫害されていたユダヤ人を救った人物というと、スピルバーグの映画の題材にもなった『シンドラーのリスト』のオスカー・シンドラーや、渡邊孝好監督による長編テレビドラマ『六千人の命のビザ』(DISCASにも置いててあります)の杉原千畝が有名ですが、本作の主人公であるジョルジオ・ペルラスカも彼らと同類の人物のようです。しかし、シンドラーも杉原も日本は言うに及ばず世界的な知名度が高いのに対し、ペルラスカは少なくとも日本においては全くと言って良いほど知られておらず、ウィキペディア・日本語版にも彼の項目はありません(英語版にはシンドラーや杉原には分量では劣るものの、きちんとした項目があります)。彼が助けたユダヤ人の人数は5000名強と、約6000人程度を助けた(ビザを発行した)杉原とほぼ同じですから、業績が少なかったから知名度が低いと言うわけではないでしょう。実は彼の名前は、一時までの杉原千畝がそうだったように本国イタリアにおいても殆ど知られていなかったらしく、彼に助けられた女性が1990年ようやっと探し当てたことによりその偉業が日の目を見たようです。詳しくはそのことが紹介されている下記のブログを参照いただきたいのですが、そこでは彼の人柄と引いてはこの作品の核心とを垣間見せてくれるような感動的なエピソードが語られています。インタビューアーの「何故今まで自分のしたことを語らなかったのか?」と言う問いへのペルラスカの答えがそれです。「何故(話さなければいかなかったのか)?」
シンドラーも杉原もそうであったように、ペルラスカもユダヤ人虐殺問題に偶発的に遭遇します。つまりヒロイックな気構えでユダヤ人を救うことを思い立ち行動に至ったのではなく、素朴でごく当たり前の疑問や不快感から自分ができることを自分なりに始めただけだったのです。シンドラーが最初はユダヤ人を利用して金儲けをしていたのが最後にはその儲けをはき出してまでユダヤ人救出に懸命になったように、始めは極めて限定的に選択して慎重にビザを発行していた杉原が終いには誰彼かまわずビザの証明サインを殴り書きしたように、ペルラスカもある時点からは自らの身の危険を顧みずにユダヤ人救出にそれこそ命がけで取り組みようになります。行動に出たきっかけもその後の経緯もよく似た三人なのですが、私には少なくとも映画やドラマを通じて観た限りにおいては三人には、いや正確に言えばシンドラーおよび杉原とペルラスカには目に見えない断絶のようなものがあるように感じられました。
断絶などと言う言葉を使うと余りよろしくない意味に捉えられてしまうかもしれませんが、もちろんそんなことはなく、ペルラスカには他の二人に比べ等身大の親しみのようなものが感じられるのです。上記で紹介したエピソードでもわかるように、彼は少なくとも最初の時点では自分にとって当たり前のことを何の気無しに行っていただけなのだと思います。出張地であるハンガリーで偶然にユダヤ人弾圧に遭遇したことからもそのことは感じられますし、その後段階的にユダヤ人救出に身を乗り出す姿は、自分のしていることに思い惑う苦悩のようなものが感じられます。そう、彼は人命救助というヒロイックで抽象的な目的のために行動を起こしたわけではなく、自らの気持ちに素直でありたい、自分が正しいと信じていることを全うしたいと言う、具体的で切実な気持ちから活動を行ったように感じられるのです。
もっとも私がそう感じたのは、ペルラスカという人物の実像がそうであったかどうかよりも、本作がそのように描いている・・・本作が落ち着いた佇まいの作品だったからかもしれません。テレビドラマとして制作されたにもかかわらず、音楽の使い方や泣きのシーンなどは『六千人の命のビザ』より遙かに抑制されていますし、物語的な起伏は『シンドラーのリスト』とは比べものにならないほど平坦なものです。でも、これらに比べれば淡々と物語が進行する様とテレビドラマとは思えない落ち着きのある描写がペルラスカの人柄に沿っているように感じられ、そこから得られる感動も他の二作とは異なった味わいの滋味深いものでした。
どの作品が一番かなどと野暮なことを言うつもりはありませんが、恐らくは非常に多くの人がご覧になっている、もう一つの『シンドラーのリスト』あるいはもう一つの『六千人の命のビザ』として、本作も多くの方にご覧になっていただきたいと思います。
※ペルラスカの紹介をされているブログ「イタリア・絵に描ける珠玉の町・村・そしてもろもろ!」
http://italiashio.exblog.jp/5065679/
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第二次世界大戦時のハンガリーでナチスによるユダヤ人虐殺から多くの命を救ったイタリア人ジョルジョ・ペルラスカを描いたヒューマンドラマ。イタリア製作のテレビムービーで、実話をもとにドラマ化したものののようだ。
ハンガリーのブダペストに駐在していた商社マンのイタリア人ジョルジョ・ペルラスカは実在の人物で、訳あってスペイン領事になりすまして多くのユダヤ人を保護したということだが、映画中のナレーションによれば1990年にTVで取り上げられるまではその存在が世に知られていなかったそうだ。1988年にハンガリーのユダヤ人女性によって、パドヴァで暮らしているのが発見され、一躍脚光を浴びたのだそうだ。1992年に他界するが、イスラエルでは記念樹が植えられている。「シンドラーのリスト」のオスカー・シンドラー、「日本のシンドラー杉原千畝物語六千人の命のビザ」の杉原千畝と並ぶ、ユダヤ人救出劇のイタリア版ということだ。
戦時下のハンガリーはドイツの圧迫を受けて枢軸国側につき、「矢十字党」という反ユダヤファシズムによってユダヤ人迫害が実行されていた。ドイツナチ党のハーケンクロイツに似た矢十字のマークが印象的である。政権を取った矢十字党は、駐留するドイツ軍とともにソヴィエトを初めとする連合軍と戦い、 1944年12月にはソヴィエト軍による包囲「ブダペストの戦い」を迎えることとなる。映画中でも冷酷極まりない矢十字党は戦後戦犯として裁かれている。
興味深いのは当時の国際情勢で、ハンガリーという国でドイツ人、イタリア人、スペイン人、ユダヤ人の置かれた環境の推移である。スペインは過去のスペイン内戦でドイツの支援を受けており、ファシズムという基盤によって友好関係を保っている。しかし中立的態度を保つスペインに対し、ドイツは次第にいらだちを際だたせていくのだ。イタリアは枢軸国であったが、本作の舞台となる1944年12月頃にはすでに連合国に下っており、ドイツ人にとって決して友好的ではない。実際に本作でもペルラスカは矢十字党によって指名手配されており、追われる立場なのだ。だが、ペルラスカはスペイン内戦時にフランコ軍に義勇兵として参戦しており、スペインはこの時の功績から彼にスペイン市民権を与えることとなる。ユダヤ人はハンガリーにおいても矢十字党によってゲットー隔離、強制労働を強いられるのだが、もともと矢十字党はさほど反ユダヤではなかったらしい。ナチ党による影響が強かったということだろう。
ペルラスカはスペイン市民権を得て、スペイン大使館領事のふりをするのだが、ユダヤ人に保護証明書を発行してスペイン大使館領内に匿うことでユダヤ人の命を救う。その根拠となるのが1924年にスペイン法律で可決されたリビエラ法によるセファルディ(スペイン系ユダヤ人)を国民と認めるというものであった。
戦後ハンガリーはソヴィエトによって占領されるが、このように国の違いによって振り回される戦時下の人々が良く描かれている。
ペルラスカは一世一代の大嘘で自身の身とユダヤ人の命を救っていくのだが、本作ではユダヤ人保護、2名の子供保護、ゲットー虐殺の回避などがエピソードとして描かれており、どこまでが事実で脚色があるのかどうかはわからない。ただ、2名の子供を救出した場面で会った人物が悪名高きアイヒマンであったことは事実のようだ。
200分の作品でやや冗長ではあるけれど、これだけ多くのエピソードを盛り込であるのだから仕方ない。ストーリーも常に手に汗握る展開で最後まで飽きさせない。終盤の展開が早く、やや浅い作りとなってしまい、感動がちょっと薄れてしまうのが残念だが、あえてヒーローに仕立て上げないという意図があったのだろうか。
また、ペルラスカの大嘘つきシーンの設定がちょっと甘いのももったいない。テレビムービだから仕方ないのかも知れないが、ドイツ軍将校や矢十字党員をそんなに簡単に騙せるのだろうか。もう少し捻りがあっても良かったかな。
登場人物も多く、映像にもスケール感があったのは良い。
全体にイタリア人気質ぽく、明るく脳天気に展開する作品だ。もちろん、明るく楽しめるような場面ばかりではなく、見るに堪えない場面も多いのだが、最終的にはそう感じさせないのはさすがイタリアといったところだろうか。ペルラスカの決まり文句「あなたはハンガリーで一番美しい」はやっぱりイタリア人(笑)。
個人的には途中で保護した口のきけなくなった男の子ベンがとてもかわいかった。手の仕草や表情が実にかわいい。
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ユーザーレビュー:10件
投稿日
2008/02/15
レビュアー
parole※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
ナチスによって迫害されていたユダヤ人を救った人物というと、スピルバーグの映画の題材にもなった『シンドラーのリスト』のオスカー・シンドラーや、渡邊孝好監督による長編テレビドラマ『六千人の命のビザ』(DISCASにも置いててあります)の杉原千畝が有名ですが、本作の主人公であるジョルジオ・ペルラスカも彼らと同類の人物のようです。しかし、シンドラーも杉原も日本は言うに及ばず世界的な知名度が高いのに対し、ペルラスカは少なくとも日本においては全くと言って良いほど知られておらず、ウィキペディア・日本語版にも彼の項目はありません(英語版にはシンドラーや杉原には分量では劣るものの、きちんとした項目があります)。彼が助けたユダヤ人の人数は5000名強と、約6000人程度を助けた(ビザを発行した)杉原とほぼ同じですから、業績が少なかったから知名度が低いと言うわけではないでしょう。実は彼の名前は、一時までの杉原千畝がそうだったように本国イタリアにおいても殆ど知られていなかったらしく、彼に助けられた女性が1990年ようやっと探し当てたことによりその偉業が日の目を見たようです。詳しくはそのことが紹介されている下記のブログを参照いただきたいのですが、そこでは彼の人柄と引いてはこの作品の核心とを垣間見せてくれるような感動的なエピソードが語られています。インタビューアーの「何故今まで自分のしたことを語らなかったのか?」と言う問いへのペルラスカの答えがそれです。「何故(話さなければいかなかったのか)?」
シンドラーも杉原もそうであったように、ペルラスカもユダヤ人虐殺問題に偶発的に遭遇します。つまりヒロイックな気構えでユダヤ人を救うことを思い立ち行動に至ったのではなく、素朴でごく当たり前の疑問や不快感から自分ができることを自分なりに始めただけだったのです。シンドラーが最初はユダヤ人を利用して金儲けをしていたのが最後にはその儲けをはき出してまでユダヤ人救出に懸命になったように、始めは極めて限定的に選択して慎重にビザを発行していた杉原が終いには誰彼かまわずビザの証明サインを殴り書きしたように、ペルラスカもある時点からは自らの身の危険を顧みずにユダヤ人救出にそれこそ命がけで取り組みようになります。行動に出たきっかけもその後の経緯もよく似た三人なのですが、私には少なくとも映画やドラマを通じて観た限りにおいては三人には、いや正確に言えばシンドラーおよび杉原とペルラスカには目に見えない断絶のようなものがあるように感じられました。
断絶などと言う言葉を使うと余りよろしくない意味に捉えられてしまうかもしれませんが、もちろんそんなことはなく、ペルラスカには他の二人に比べ等身大の親しみのようなものが感じられるのです。上記で紹介したエピソードでもわかるように、彼は少なくとも最初の時点では自分にとって当たり前のことを何の気無しに行っていただけなのだと思います。出張地であるハンガリーで偶然にユダヤ人弾圧に遭遇したことからもそのことは感じられますし、その後段階的にユダヤ人救出に身を乗り出す姿は、自分のしていることに思い惑う苦悩のようなものが感じられます。そう、彼は人命救助というヒロイックで抽象的な目的のために行動を起こしたわけではなく、自らの気持ちに素直でありたい、自分が正しいと信じていることを全うしたいと言う、具体的で切実な気持ちから活動を行ったように感じられるのです。
もっとも私がそう感じたのは、ペルラスカという人物の実像がそうであったかどうかよりも、本作がそのように描いている・・・本作が落ち着いた佇まいの作品だったからかもしれません。テレビドラマとして制作されたにもかかわらず、音楽の使い方や泣きのシーンなどは『六千人の命のビザ』より遙かに抑制されていますし、物語的な起伏は『シンドラーのリスト』とは比べものにならないほど平坦なものです。でも、これらに比べれば淡々と物語が進行する様とテレビドラマとは思えない落ち着きのある描写がペルラスカの人柄に沿っているように感じられ、そこから得られる感動も他の二作とは異なった味わいの滋味深いものでした。
どの作品が一番かなどと野暮なことを言うつもりはありませんが、恐らくは非常に多くの人がご覧になっている、もう一つの『シンドラーのリスト』あるいはもう一つの『六千人の命のビザ』として、本作も多くの方にご覧になっていただきたいと思います。
※ペルラスカの紹介をされているブログ「イタリア・絵に描ける珠玉の町・村・そしてもろもろ!」
http://italiashio.exblog.jp/5065679/
投稿日
2008/05/29
レビュアー
カポーン※このユーザーレビューは作品の内容に関する記述が含まれています。
第二次世界大戦時のハンガリーでナチスによるユダヤ人虐殺から多くの命を救ったイタリア人ジョルジョ・ペルラスカを描いたヒューマンドラマ。イタリア製作のテレビムービーで、実話をもとにドラマ化したものののようだ。
ハンガリーのブダペストに駐在していた商社マンのイタリア人ジョルジョ・ペルラスカは実在の人物で、訳あってスペイン領事になりすまして多くのユダヤ人を保護したということだが、映画中のナレーションによれば1990年にTVで取り上げられるまではその存在が世に知られていなかったそうだ。1988年にハンガリーのユダヤ人女性によって、パドヴァで暮らしているのが発見され、一躍脚光を浴びたのだそうだ。1992年に他界するが、イスラエルでは記念樹が植えられている。「シンドラーのリスト」のオスカー・シンドラー、「日本のシンドラー杉原千畝物語六千人の命のビザ」の杉原千畝と並ぶ、ユダヤ人救出劇のイタリア版ということだ。
戦時下のハンガリーはドイツの圧迫を受けて枢軸国側につき、「矢十字党」という反ユダヤファシズムによってユダヤ人迫害が実行されていた。ドイツナチ党のハーケンクロイツに似た矢十字のマークが印象的である。政権を取った矢十字党は、駐留するドイツ軍とともにソヴィエトを初めとする連合軍と戦い、 1944年12月にはソヴィエト軍による包囲「ブダペストの戦い」を迎えることとなる。映画中でも冷酷極まりない矢十字党は戦後戦犯として裁かれている。
興味深いのは当時の国際情勢で、ハンガリーという国でドイツ人、イタリア人、スペイン人、ユダヤ人の置かれた環境の推移である。スペインは過去のスペイン内戦でドイツの支援を受けており、ファシズムという基盤によって友好関係を保っている。しかし中立的態度を保つスペインに対し、ドイツは次第にいらだちを際だたせていくのだ。イタリアは枢軸国であったが、本作の舞台となる1944年12月頃にはすでに連合国に下っており、ドイツ人にとって決して友好的ではない。実際に本作でもペルラスカは矢十字党によって指名手配されており、追われる立場なのだ。だが、ペルラスカはスペイン内戦時にフランコ軍に義勇兵として参戦しており、スペインはこの時の功績から彼にスペイン市民権を与えることとなる。ユダヤ人はハンガリーにおいても矢十字党によってゲットー隔離、強制労働を強いられるのだが、もともと矢十字党はさほど反ユダヤではなかったらしい。ナチ党による影響が強かったということだろう。
ペルラスカはスペイン市民権を得て、スペイン大使館領事のふりをするのだが、ユダヤ人に保護証明書を発行してスペイン大使館領内に匿うことでユダヤ人の命を救う。その根拠となるのが1924年にスペイン法律で可決されたリビエラ法によるセファルディ(スペイン系ユダヤ人)を国民と認めるというものであった。
戦後ハンガリーはソヴィエトによって占領されるが、このように国の違いによって振り回される戦時下の人々が良く描かれている。
ペルラスカは一世一代の大嘘で自身の身とユダヤ人の命を救っていくのだが、本作ではユダヤ人保護、2名の子供保護、ゲットー虐殺の回避などがエピソードとして描かれており、どこまでが事実で脚色があるのかどうかはわからない。ただ、2名の子供を救出した場面で会った人物が悪名高きアイヒマンであったことは事実のようだ。
200分の作品でやや冗長ではあるけれど、これだけ多くのエピソードを盛り込であるのだから仕方ない。ストーリーも常に手に汗握る展開で最後まで飽きさせない。終盤の展開が早く、やや浅い作りとなってしまい、感動がちょっと薄れてしまうのが残念だが、あえてヒーローに仕立て上げないという意図があったのだろうか。
また、ペルラスカの大嘘つきシーンの設定がちょっと甘いのももったいない。テレビムービだから仕方ないのかも知れないが、ドイツ軍将校や矢十字党員をそんなに簡単に騙せるのだろうか。もう少し捻りがあっても良かったかな。
登場人物も多く、映像にもスケール感があったのは良い。
全体にイタリア人気質ぽく、明るく脳天気に展開する作品だ。もちろん、明るく楽しめるような場面ばかりではなく、見るに堪えない場面も多いのだが、最終的にはそう感じさせないのはさすがイタリアといったところだろうか。ペルラスカの決まり文句「あなたはハンガリーで一番美しい」はやっぱりイタリア人(笑)。
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戦火の奇跡〜ユダヤを救った男〜