婚前特急

吉高由里子演じるOLチエが、「私結婚するわ！」って、5人キープしている彼氏の中から、上玉を選ぼうと査定を開始。
ところが、チエが一番不細工男に別れ話を持ちかけるくだりからは、予想外の展開です。タナシ(浜野謙太)の常識を超えた行動や、意味不明な言動が出色で、中盤以降は、チエとタナシの掛け合いや、漫才のような応酬が実に楽しいです。

突出すべきは、チエの役柄。八方破れですが、常にテンパっていそうなOLには、現実味も感じさせ、イキの良い役の勢いそのままに、物語が流れ出し、楽しめました。
上から目線のモテ女が、実は都合のよい女だったという自意識過剰の逆転＆崩壊。
いつも高飛車で自己チュー、それは心から人を愛した経験がない寂しさの裏返しなのかもしれませんね。

吉高由里子の可愛らしさありきの映画で、５股女役にピッタリでした。

ストーリーはそれほど面白いってワケでもない。
５股っていう設定が目立つぐらいで、あとはいたって普通のロマコメってところ。
そんな映画をワンランク上のものに仕立て上げているのは吉高ちゃん。
彼女のリアクションやセリフ回しが非常に良い。
不思議キャラよりも、こういうツッコミ型のキャラのほうが似合っている。
彼女のポテンシャルを発揮できると思う。
とりあえずこのポジションを確立するまでステレオタイプでもいいから、同じような役を演じた方がいいんじゃない？
そう思うぐらい良い。
ナチュラル感が漂います。
気取ってるんだけど、いつの間にやら振り回される。
ほんわかふにゃふにゃよりずっとイイ。
シリアスミステリアスよりずっといい。
そして、そんなワンランク上に仕立て上げられたこの映画を、さらなる高みに押し上げるのがハマケンさん。
サケロックのメンバーであり。
在日ファンクなどのメンバーでもあり。
れっきとしたミュージシャンですけど何か？のハマケンさん。
彼の存在感が物凄いんです。
５股ということで、五人の彼氏役が登場するんですが。
他の四人とは馬力が違うんです。
最早一人だけ競技すら違うってくらい別次元。
立ってるだけでＫ．Ｏされるぐらいの存在感ですが。
そこから喋る動くでさらに面白い。
あのスマイル・・・・・
絶妙なバランスで「ぶちのめしたいけど嫌いになれないヤツ」を見事に演じている。
なんでしょう、この感覚・・・
こういうキャラでパっと思い浮かぶのは、ノンスタの井上ですが。
彼が演じたら総スカン喰らうことでしょう。
でもハマケンさんだと、何故か愛されちゃう。
そんな感じでした。
そして吉高ちゃんとの相性もバツグンにイイ。
二人の掛け合いバトルが楽しすぎます。
特典で「二人のケンカ、あれこれ」みたいなの作ってくれれば良かったのに・・・・・

吉高ちゃんが投げてた人形が欲しい・・・・

そういえば・・
ハマケンさん。
プロレスTシャツばかり着てた。
それが全てボクとモロかぶり（色違いですけど）。
そういう意味でもタナシ（ハマケンさん）イイネ♪
彼はきっと無敵だ（笑）


個人的に一番「ナイ」には年下の彼かな・・・
年下だけに？コイツやっぱりちっちゃいわ・・・・

美人で仕事もできるチエ（吉高由里子）は、５人の彼氏と同時進行中。

奥さんがいるけど、時々海外旅行に連れて行ってくれる美容師の彼。
バツイチだけど、仕事の相談ができて、束縛もしない彼。
うんと年下の可愛い彼。
幼なじみの彼。
そして、パン工場の派遣社員の、ただ楽なだけがとりえの彼。

５人の彼のメリットとデメリットを書き出して、査定の低い方から別れていって、最後に残った人と結婚しようとするのだが、いちばん査定が低くて、自分にとってどうでもいい相手と思っていたブサイク男・タクミの、
「え〜、俺たち付き合ってないじゃん？」
という答えに愕然とする。

「なんで私が、こんな男にこんなふうにいわれなきゃいけないの？！」
チエのプライドはズタズタに。
しかもタクミには別に好きな女性がいるというではないか！！

同じ女性としては、あまり友だちにはなりたくないタイプのチエだけど、前半はそれなりにチエに感情移入もでき、おもしろい。
しかし、途中から物語の主導権はタクミの方に移り、完全に男性目線の展開になってしまう。

ひょっとしてこれは、ケイト・ハドソンの「１０日間で男を上手にフル方法」ならぬ、「格上の女をゲットする方法」とでも呼べる映画なのでは？
タクミの好きな彼女も、なんだか正体不明なところがあって、ひょっとしてこれはタクミがチエを手に入れるための作戦なのかもと勘ぐったり。

最後にタクミは、「僕、ちゃんとした仕事につけるように頑張るよ！！」と言ってたけど、この人結局バイトで終わりそうな気がするな。
そしてたぶんチエは、家事も育児も仕事も全部ひとりで引き受けて頑張るんじゃないのかな。なんたって、できる女だから。まあ、本人が幸せならそれでいいんだけど。

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吉高由里子が５股をかける、
OLを演じる。

なんとなく、ぶっとんだ性格っぽい売りになっている、
彼女だけに、
顔だけでいうと、そんなぶっとんだ感じでもない気もするのだが、
売り方の成功で、
ほとんど、違和感ない。
ってか、やってそうにも見える。

だから、彼女の起用は成功と言えるだろう。

しかし、残念ながら、男側は、あんまり、魅力が出ていない。

ネタバレなので、見る人は、読まないでほしいが、






結局、貧乏なパン職人と結婚するのだが、
その合理性がわからない。

いや、わからないのではないな。
こういうことってあると思う。

かっこいいけど、自分を愛してくれない人より、
かっこわるいけど、愛してくれる人と結婚するってか・・・

で、査定のとき、”楽”って書いたのも、
こんなこと、あるだろうなと思う。

それだけに、ただの駄目な男にしか見えない、
このパン職人が、もてる理由もわからない。

見てみると、それなりに音楽をやっていたりして、
元の人物は、それなりにもてる人なんだろうと思う。
だけど、それがいかされておらず、
なんだか、売れない芸人にしか見えない。

内容的には、そういう描かれ方のため、
監督の趣旨としては、成功しているのだろうけど、
なんか、そのあたり、もうちょっと、もてる理由がわかる、
程度の醜男にした方がよかったと思う。

てか、これ、描き方なんだと思う。

そのあたり、惜しい感じがした。

とはいうものの、５股感が少ないのは、
残念。

１股＋４股になっている。

５股感を出すのは、難しいとは思うが、
せっかく、それが主題だけに、
そして、吉高は、それにあった女優だ後思うだけに、
もっと挑戦的な脚本でもよかった気がした。

だから、悪くないと思う部分もあるのだが、
期待できたのにという思いもあり、この点数にした。

きっと俺がいたなら最初にきられるであろう〜