殺さない彼と死なない彼女

小林啓一監督は「逆光の頃」（2017年）など、瑞々しい青春映画の印象がある。
今作は、ツイッターで人気の四コマ漫画（世紀末さん原作）を映画化したもの。
リアリティのある高校生たちの現場は、もはやおばさんである私にはついていけない所もあったけど、
なんとか食らいついてみました。
（「死ねよ、ババァ！」と言われても本気にしちゃいけないのである。笑）

小坂（間宮祥太朗）は、ちょっと浮いてる高校生。すぐ「死ね」「殺すぞ」と言うが
もはや接頭語接尾語になってるので、かえって意味などない。
鹿野（桜井日奈子）は、「死にたい」と繰り返すリストカットの常習者。
そんな二人の恋愛模様。「アイス食ってから死ねよ、ブス！」とか「バナナ味なら死んでやる！」
（意味わかね・・）
キャピ子と地味子の友情も描かれる。
突飛で風変わりな高校生たちだが、伝えるべき言葉も選べない、むしろ言葉は本音を隠すための鎧（ガード）であったりする。
なかなか不器用な話ではないか。

終盤、小坂にアクシデントが起きる。
どん底に落ちた鹿野は、やがて小坂の腕につかまって立ち上がる。
時が過ぎ、清々しい表情の桜井日奈子が可愛い。
いろいろ実験的手法も使用されてるようだが、例えば急に画面が白っぽくなるとか。
時系列にもワザがある。元が四コマ漫画なので（しかも明るくない、暗め）、監督も
工夫したのかも。でも、若い人だけに限らず、考えさせられる作品になったと思う。

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　高校生たちが片思いに悩んだり、事件が起こったりする話。

　3組の高校生たちのエピソードが同時進行で描かれていって、どこか不穏な空気も感じさせつつ。後半に自分の思いを伝えられない苦しさ、後悔などを見せてくれて自分の気持ちを伝える大切さを教えてくれる作品でした。

　ただ個人的に事件が起きる後半までは、正直エピソードの羅列でしかも興味がわかない高校生たちの恋愛話でしかも話し方が変わっていて興味を持つのが大変なキャラクターでした。しかも骨となる展開ストーリーがなくて、ぶつ切りにキャラクターが喋っていくのが退屈の時間が多かったです。やたらと逆行逆光の画面もキラキラ過ぎて、どんよりした気持ちになる映画でした。

　そのため後半にある悲劇とかの刺され方とかあっさりしすぎな割に流血がすごくてどこを刺されたらあのような傷になるのだろう?　とかどうでもいいことが気になってしまう映画でした。

この映画、公開当時は話題になったのかな？
全然知らなかったけど、観てみると面白い！
掘り出し物だ。

きゅんきゅんします。

「死んでやる」、「殺すぞ」
この言葉は、2人にとってはまるで合言葉のよう。
このやりとりがクスッと笑える。

主要登場人物が皆、魅力的。
劇中で使われる言葉が素敵。
「殺すぞ」が素敵に聞こえる。
「死ぬぞ」も素敵。
「好き」も素敵。

いろんな「愛情」が紡がれています。
いろんな「想い」が錯綜し、行き交い、繋がっていく。

うーん・・・。
もっと魅力を伝えたいが、うまく表現できない。
僕にもっと語彙力があれば・・・。

とにかくおススメです。
恋愛物に興味がない人も是非！
借りて良かった。

９０点　

不思議な空気感の漂う作品。
4コマ漫画が原作とは！
なかなか良かった。

単なる青春ラブストーリーなのかと思ったいたら
そんな単純な話ではなかった。
３つの『好き』を軸に物語が進んでいく。
この３つの繋がりが全く読めずに展開するので
もしかして死にたがりの『鹿野なな』の中にある妄想の人格なのか？
なんて思ったりもしたけど
時系列もこの３つは違っていたのだ。
途中に伏線が用意されていて
最後に伏線も回収され、すべてのピースがカチッとハマり
そういうことかとスッキリする。

『殺すぞ』が小坂れいの口癖。本当に殺すわけではない。
『死んでやる』が樫野ななの口癖。本当に死ぬわけではない。
二人の会話は、まるで男同士の会話みたい。
それでも、言葉の端々にさりげない『好き』が感じられて
オバサンは胸がキュンとなったよ。

八千代くんに『好き』と言い続けることを日課としている撫子ちゃん。
『好き』を発動するタイミングが絶妙で、ややもすると嫌がらせだけど
一途な撫子ちゃんの思いが可愛いのだ。

『きゃぴ 子』と『地味子』の対称的な二人。
好きな人がころころ変わってそのたびに傷ついている『きゃび子』に
地味子が辛辣な言葉を放つ。
それでも幼いころからの変わらぬ二人の友情が微笑ましい。

アイスクリーム、肉まん、クレープ、
そんなさりげない小物使いも絶妙だった。

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すみません。
何となく観て観たくなりレンタルしましたが、支離滅裂な展開と人間像に耐え切れず観るのを止めました。

おそらく観続けていれば、それなりの展開があるようですが・・・
どうしても耐えられませんでした。

何で死にたいのか？
何で興味を持ったのか？
さっぱり分かりません。
学校が舞台ですが、あまりにもあり得ない人物像がテンコ盛り。
リアリティが無さ過ぎます。
このあたり、好き嫌いがでそうです。

コミックやアニメならありかも知れませんが、実写だとちと厳しいかな・・・
原作があるようなので、反対に読んでみたくなりました。