ロスト・フライト

監督：ジャン＝フランソワ・リシェ（2022年・英/米・107分）
原題：PLANE

トランス機長（ジェラルド・バトラー）が操縦するトレイルブレイザー119便は、新年早々悪天候が予想される中、会社の指示でシンガポールから東京経由でホノルルへ向かう。会社は、嵐の上を行けばいいと簡単に言うが、フィリピン沖上空で落雷を受け、飛行機は電気系統の機能を失う。
この119便には移送中の犯罪者ガスパール（マイク・コルター）を含めて乗客は17名。客の女性は「この飛行機、古くない？」などと言いながら搭乗して来るし、最初から、嫌な雰囲気を漂わせていた。
電源を失った機内は真っ暗な上、通信も不能で飛行機の現在地も不明。機長は不時着を決意する。

機長のふざけたアナウンスで始まったフライトが、落雷の辺りから一気に面白くなった。さらに、不時着した場所がフィリピンのホロ島だった為、航空パニックから急転直下、脱出サバイバルへと移行する。
ホロ島は反政府ゲリラが支配する無法地帯だったのだ。

トランス機長役のジェラルド・バトラーが頼もしく、その彼と組んでゲリラを倒していくのが犯罪者のガスパールで、ガスパールの元傭兵という経歴が活かされて迫力があった。
一方、トレイルブレイザー社の対応と危機管理担当者のスカースデイル（トニー・ゴールドウィン）の意見の噛み合わないシーンも興味深かった。スカースデイルが乗客救出のため、対策室の反対を押し切って傭兵チームを派遣する。この傭兵チームには実際の元ネイビーシールズが出演していたそうで、銃撃シーンをリアルに見せる効果があったようだ。
こんな事態には決して巻き込まれたくはないけれど、アクション映画として楽しむ分にはテンポが良くて見応えがあった。

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エアポートシリーズのような遭難パニックものと思っていました。
パニックになる乗客たち、危機的な環境での生存をかけた戦いを想像していました。
これだけでも、普通におもしろいのですが・・・

まあジェラルド・バトラーが出ていればそれは無いか？
なんと本作では、落ちた地域にも工夫がありました。
落ちた場所が、国家も手を焼くテロ組織の本拠地の島に・・・これがいい！
これから救出を待とうというとき、冷酷非道なテロ組織に襲撃され捕まった乗務員や乗客たち。
救出のため、ジェラルド・バトラーが孤軍奮闘するかと思いきや、それすらも見事に裏切られました。
いや〜作り方が秀逸でした。

一番残念だった点は、国が手を焼くテロ組織がという割には規模が小さいこと。
これが一番惜しいかな・・・
まあ、敵がこれくらいの規模で無いと真実味がなくなるので難しいところかと思いますが、もう一工夫あればもっと良かったかも知れません。

一気に観終わってしまいました。
おもしろかったです。

テンポが良くて面白いアクション映画でした。

＜　あらすじ　＞
シンガポールから東京へ向かう旅客機。
機長のトランス♂は 悪天候の地域を迂回するように提案しますが、
運航管理者に『時間と燃料の無駄になる』と却下されます。
案の定、旅客機は落雷で電子機器がダウンし、不時着しなければならなくなってしまうのでした。
そして不時着した場所は・・・


星評価3.7

次から次へと無駄がない展開で緊張感マックス状態がずっと続く。
バトラーはちょっと減量したようで、なかなかカッコよかった。

お話の発端はシンガポールを出発した旅客機の119便（航空会社は不明）が嵐に呑まれてフィリピンのホロ島に不時着するところからはじまる。
バトラーはその119便の機長。
出発前、バトラーは進路に嵐があるので迂回してもいいかと航空会社の上司に打診するが、燃料がもったいないから嵐の上を越えて飛べ、と言われる。
が、119便は落雷に当たってレーダーや通信機能がダウン。
墜落しそうになり、ホロ島の内陸部にちょこっとあった道路に不時着。
無事に着陸できてよかったと喜んだのもつかの間、バトラーや乗客たちをさらなる不幸が襲う。

ホロ島というのはなかなか歴史の古い島のようだが、イスラム教徒の島であったためにフィリピン政府と折り合いが悪く、今現在も無政府状態になっており、民兵たちは海賊行為などを行っているらしい。これは映画の中のつくり事ではなく事実である。
で、バトラーは乗客たちを生還させるため、そのホロ島の民兵たちと戦うことになる。

そんなにカネはかかっていないような感じだが、ジャングルのシーンはロケで撮影したようで、スタジオ撮影っぽいところはなかった。
不時着した道路がちょっとウソくさかったけど、観てる最中は気にならなかった。
バトラーの相棒となって一緒に戦うオッサンと航空会社から送り込まれた特殊部隊の兵士みたいなののひとりの人相風体がそっくりで見分けがつかないところがあったが、でも、とくに気にならなかった。

フィリピン政府の腰があがらず、救助隊が来ないなか、乗客たちとともに島を抜け出すシーンはサイコーだった。

予算もそんなにかかっていなそうだし、展開もジェラルド・バトラー主演映画のいつものパターン。
でも面白かったです。

単純にテンポとかメリハリとかがいいんだけど、チョイ役たちのキャラクターがしっかりしていたり
余計なラブラブがなかったり、家族系描写が最小限だったりと細かいところが良くできています。

ド派手が売りじゃないアクションものの見本的な作品