ワールド・オブ・ライズ

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いきなりイヤな世界を見せられます。
CIA対テロリストの戦い。具体的なことは全く知らなかったので、
驚きの連続でした。
こんなことが実際にあるのか？と思いますが、中東問題に精通しているジャーナリストであるというデイヴィッド・イグネイシアス氏の作品なので、現実なんですね。
（物語はフィクションですが）
公開中はそんなにヒットしてなかったようですが、見ごたえある作品でした。
（↓ネタバレあります）

CIAの工作員で、現地で危険な任務についている、フェリス（レオナルド・ディカプリオ）。人間味のある彼に、たいていの人は共感を抱くのではないでしょうか。

一方、現地から遠く離れた安全な場所で、作戦を指示するホフマン（ラッセル・クロウ）は、仕事に徹していて、人間をゲームのコマのように扱う。フェリスでさえも「無理だ、すまない」と切り捨てることができる彼。ここまで非情になれるものか…

それに日常生活＝仕事場になっているホフマン。いつもイヤホンをつけて電話している。
家で子供におしっこをさせながら「そいつはバラバラに吹き飛んで天国に行くより生きてアメリカに行きたいのか。」なんて言うなんて、普通じゃない。

テロをなくすため、多くの人の命を救うためには、休む暇は無いし、犠牲も必要かもしれないし、非情さも時には必要なのかも。
でも、やはりおかしいと思う。

そして、フェリスの大胆な作戦にはびっくり。
その展開にハラハラしました。
ハイテク技術を阻む、テロリストの作戦にも舌を巻きます。
ハイテクの進化はすばらしいけれど、万能じゃないんですね。

BDで見た映像は、特に爆発や煙、戦闘のシーンがくっきり鮮やかでした。

このディスクに関しては、読み込みに時間がかかりました。
最初、１分かかってやっと、警告とワーナーのマークが出ましたが
その後黒い画面になり、しばらくディスクが回る絵が出続けます。
ディスクが汚れているのかと思って拭いてから入れたのですが、同じ状態。

結局、「警告とワーナーのマーク」が出てから、さらに１分かかって、本編が始まります。読み込み中は、もちろん早送りやメニュー画面にしたりはできません。

ちなみに他のBDは３０秒で本編が始まりした。
「ワールドオブライズ」は情報量が多いのかもしれませんが、
ディスクを入れてから、本編を見るのに２分かかるのは、ちょっと長いですね。

今日は疲れてるから吹き替えで見てみようと思ったら・・・
主人公の吹きかえって・・・

・・・だいご？？？？（あえてひらがな）

配給会社よ〜〜

映画をなめんなよ（怒

配役決めるやつのセンス無さにがっかり
最近この手のレベル落っこちすぎっ！！

恥ずかしくないのか（怒っ

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国を組織を背負う精鋭達の息詰まる、手に汗握る騙しあい。
登場人物が際立つキャラを持ち、それぞれがアルカイダ、アメリカ、その他の鍵を握る諸国・組織の象徴。
セリフもにくい。ホフマン「中東は最悪だ」。フィリス「その考えが問題だ」。この二人のやり取りが、作品の言いたい事を凝縮していると言っても過言ではない。
理解しにくい中東とテロとアメリカの関係と、終わらない報復の連鎖を描きながら、エンタメ要素を散りばめ、それなりに分かりやすく、それなりに万人に面白いと思わせる作品を作る辺りは「流石！」と感心してしまいます。
なのですが…

ディカプリオの迫真の演技、ラッセル・クロウの２０ｋｇも体重を増やして、それこそ故Ｊ・Ｔ・ウォルシュ辺りがぴったりの嫌らしい貫禄を醸し出した演技が抜群で、その２大俳優に絡む知的でクールなヨルダン裏組織のボス、ハニを演じていたマーク・ストロングという俳優がまた印象に残るという配役の秀逸さ。中東系美女のゴルシフテ・ファラハニも雰囲気あってよかったです。
なのですが…

原作は読んでいません。
仮にも敏腕なＣＩＡ諜報員。現地女性に惚れ、写真撮られて危険な目に会わせるって…プロとしてありえんですよね？
原題が『BODY OF LIES』。元々は、あのＣＩＡ側の作戦がメインイベントだったハズです。なのに…作戦決行後のオマール・サディキ（建築家）への対応って！？プロとしてはありえんですよね？
原作は読んでいませんよ。原作がどうだか知りませんよ。
ゴルシフテ・ファラハニは良かったのですが、どうしても色恋は不要と感じるんです。それを描くなら、”作戦”の質に時間を割いてほしかった。

観て損はしません。すごく面白かったです！
でも、エンタメ要素を入れ、社会派ドラマとして、バランスよく配合してしまう手法は見事なのですが、個人的には、ストイックで骨太な社会派ドラマを作って欲しかったなぁと感じてしまう、欲張りな私なのでした。★★★

人がどんどん殺されるところでしか生きられない男の話ですね。サバイバル戦に勝ち残りつつ、成果も上げて、しかも、人間としての良心を失っていないところがいいですね。そういうヒーローを主人公にした映画としては、上・中・下で言うと、上の中という感じですかね。デカプリオは『ブラッド・ダイヤモンド』のときの方がよかったように思います。映画としても、あっちは上の上だったように感じます。

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基本的なテーマは
「何故、宗教紛争は終結しないのか？」
なのでしょうか？。
原作者が中東紛争に強いジャーナリストで有る事から綿密な取材に基いた嘘臭さの少ない骨太のドラマが展開します。
イスラム圏の慣習と宗教観を理解している才能溢れる対テロ特捜チームの気鋭「ロジャー」にレオナルド・ディカプリオ。
深い慈愛の心と理解力は有るのに「アメリカ」と言う母国への忠誠心から或る意味「必要悪」で「作戦」を「現場」で進行させるナイーブな青年を熱演しています。
対する「事務派」の一見「嫌な奴」エドにはラッセル・クロウ。
役作りの為か、かなり太って愛用の老眼鏡とモバイルツールから「片手間」に世界を危機を見る老獪にして横柄な態度が鼻につきます。
このキャラを二人が深く演じ切ってくれているので作品にのめり込む事が出来ます。
物語の基盤は人の心の平穏を説く為に存在する（と個人的には考える）宗教が如何に人心を惑わせるかに言及されている様にも見えます。
「神」の解く論理は、それを伝える「金持ち」の理屈で如何に変容されているかと言う皮肉も書かれています。
ただ、それ以外にも「国家間」でのエネルギーの主権に関する軋轢や、自国に存在するダブ付いた「武器」の販売先の検討、そして何より「敵」を作り続けなければ消滅してしまう「軍」の持つ影響力など、様々な局面を考察出来る深い作品だと思います。
「失敗したら俺を撃て！」
と言う現地スタッフの恥辱よりは潔い「死」を選ぶのは日本の侍にも似た強い「戦士の意思」も感じ取る事が出来ます。
金と技術にモノを言わせた「戦略」が実は昔ながらの人心を操る事を基盤とする「戦術」に及ばないと言うのは面白い皮肉でした。
国の壁よりも「心の壁」を瓦解させる事が国際紛争を止める唯一無二の方法かも知れませんね。
「普通の人」になったロジャーの保護監視を解くのはエドの唯一の友情の証でしょうか？。
彼はもう、公の目を気にする事無く、自分の「気質」に有った世界の「神の意思」の元に意味有る一生を全う出来るのでしょう。