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続いて意外なセレクト、『ゴッド・スピード・ユー! ブラックエンペラー』。伝説の暴走族ドキュメンタリーですが…。 |
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山田 |
これは若い人は見とくべきだよね。ヤンキーテイストが入り込む前の、暴走族がいちばんカッコ良かった頃の映画だよ。
別に俺は暴走族入ってなかったけど、俺たちが高校3年の時に暴走族がらみで初めて人が死んだ“神戸事件”ってのがあって。その煽りで、京阪神のバイクの取り締まりがものすごく厳しくなったんですよ。
バイクに乗ってるだけで殴られる、みたいな。で、なんとなく暴走族に親近感もっちゃって、「一緒に警察と戦おう!」みたいな(笑)。
俺がやられたのでいちばん危なかったのが、バイクで信号待ってたら、白バイが横に止まって、青になったとたんに、俺のバイクの車輪に警棒つっこんだの。 |
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タチ悪いですね(笑)。 |
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山田 |
悪いよ! どっちが暴走族だよ(苦笑)!
そんなわけで、「最近の暴走族、もっとしっかりやれよ」って思っちゃうんだよ…(笑)。 |
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『ミクロの決死圏』も、「若い人にこそ薦めたい」とのことですが。 |
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山田 |
これはSFの名画なんだけどさ、意外に忘れられてんだよね。
人間が小さくなって、カラダの中に入ってバイ菌をやっつけるっていう発想は手塚マンガが元ネタらしいんだけど、牧歌的でいいじゃないですか。バイキンマンをやっつければ病気が治るっていう、ほとんどアンパンマンと同じ世界(笑)。 |
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内容的にはバカバカしいんですか? |
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山田 |
バカバカしくないよ! 感動巨編ですよ(笑)! |
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“決死圏”ですもんね…。 |
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山田 |
そうだよ、決死なんだよ(笑)。白血球とかにバイ菌と間違われて、襲われちゃうんだよ(笑)! 今だからバカ映画なんて言ってられるけど、当時は手に汗にぎる科学巨編だったわけよ。
でも、科学巨編を今やると、えてしてバカ映画※4 になっちゃうからね(笑)。 そういうことが出来た、いい時代だったんだよ。
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