| |
―― |
続いて『サイン』ですけど、まさかこれを選ぶとは…。
(この先ネタバレ注意! 『サイン』をこれから観る予定の方はこちらをクリックして次の話題へ…
) |
| |
蛭子 |
これ、みんな「おもしろくない!おもしろくない!」って言うんだよ(笑)。
一連の事件を、どう考えても宇宙人の仕業としか思えない描き方にしてたでしょ?
それを、みんな勝手に、あれは宇宙人じゃなくて、「もっと何かあるはずだ!」って期待して観てたと思うんですよ。そしたら、まんま宇宙人だったんで一挙に引いちゃったわけ(笑)。
俺にすれば、「何でそれぐらいで引くの!?」って、言いたい(笑)。
途中までドキドキしたじゃないかって!
宇宙人ごときでさぁ、そんなにガクッってしなくてもいいじゃないって思うのよ。
だってアレは宇宙人にしなければ、理屈に合わなくなっちゃうよ。 |
| |
―― |
前作『アンブレイカブル』のように、オチがすごいって最初にあおりすぎて、ハードルが上がっちゃったんでしょうね。 |
| |
蛭子 |
そう、周りが期待しすぎたんだよ。でも、俺はホントにドキドキしたからさぁ、これはこれでいいと思うよ。 |
| |
―― |
とにかく『サイン』は面白い、と(笑)。で、 次の『てなもんやコネクション』はどんな魅力が? |
| |
蛭子 |
この山本政志って監督はすごいんですよ!
この映画の場合、“つながり”をまったく考えてないの。海外での撮影中に、役者が怒って帰ってしまったみたいなんだけど、※4 そしたら、全然つながり気にしないで、後から違う役者を投入してるんですよ。しかも、男役だったのに女の人に(笑)。
だから、映画の途中で説明無しに、おじさんがおばさんに変わってるんですよ。観てくださいよ、前代未聞の2人1役ですよ!! |
| |
―― |
なんと常識はずれな。 |
| |
蛭子 |
でも、そういう風にしてまでも映画を完成させるっていうパワーはすごい。同じ山本監督の『リムジンドライブ』っていうのも観たんですけど、これもパワーがあるんですよ。ガングロでコギャルの主人公がニューヨークに行って、ヤクザみたいなのと争いになるんですけど、そのチンピラがすっごく恐く描かれてるんです。北野武の『BROTHER』に出てくるヤクザの恐さの比じゃないですよ。俺、この山本政志って人、今、日本でいちばん好きな監督。その次は、黒沢清かな。 |