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「嘘はつきたくない」と言う珠緒さんが正直に選ばれた今回の10枚ですが、やはり美人モノが多いですね。 |
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珠緒 |
まず、美女と言えば『初恋のきた道』ですよ。(甘美な味を噛みしめるかのように)チャン・ツィイー!!
※1 かわいい! チャン・ツィイーが出ていなかったら、この映画はダメでしたね(笑)。 |
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見どころはそこだけですか!? |
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珠緒 |
そんなことないですよ(笑)! もちろんお話もいいですし、中国の自然の映像もキレイだし、音楽も染みますよね。
チャン・ツィイーが好きになった男の人と、初めて目と目を合わせるシーンがあるじゃないですか? あそこなんて、とても素敵なシーンでした。
彼を待ち伏せして、わざとカゴを置き忘れたりして。かわいい〜! わざわざ彼が勤める学校の近くの井戸まで水をくみに行ったりもするんですよね。かわいい〜! 絶対に見てほしいですね。彼氏役の人も、印象が薄くて平凡なんですけど、それがまたいいんです。 |
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たしかに、一見、チャン・ツィイーの美貌と比べると、バランスの悪いルックスですよね彼氏は(笑)。 |
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珠緒 |
チャン・ツィイーのほうが貧乏な家庭で、教師の彼氏とは身分の差があるんですよね。
最初はお母さんに反対されたりもして。そういうことも乗り越えて、最後には結婚できるなんて、本当に素敵なラブストーリーだと思います。 |
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映画の中では、なんとか自分の手料理を食べてもらおうとする姿がいじらしいんですよね。
珠緒さんのいちばんの得意料理は? |
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珠緒 |
カレーに納豆※2 っていうのがおいしいと思うんですけど。
それをね、もしも好きな人に「マズイ!」なんて言われた日には、「ヤメようかな、この人」って思っちゃいますよ。どうですか、この料理? |
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(困惑)納豆が好きなんですが、食べるとジンマシンが出るので… |
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珠緒 |
それはしょうがないですね(笑)。それは許します! |
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(笑)実際の評判はどうなんですか? |
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珠緒 |
あんまりね、好きな人に作ったことがないんで(笑)。 |
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次は、ロダン※3 の愛人であった女性彫刻家を描いた『カミーユ・クローデル』です。 |
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珠緒 |
歴史モノとか、本当にあった物語というのはおもしろいですよね。
「ああ、芸術家はこういう人に恋をしたんだな」「ああ、ロダンの『考える人』ってカミーユ・クローデルがいたからできたんじゃないかな。
彼女の大きな影響があって、今わたしたちの知っているような作品が生まれたんだな」なんて思うことができて。
すごいことですよね。結末は、ロダンにも捨てられちゃって、発狂までして……。
それでも、この2人は出会えてよかったなと思うんですよ、わたしは。 |
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思い入れのあるシーンというと? |
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珠緒 |
好きなシーンは、カミーユが頭に包帯みたいな白いものを巻いているシーンなんですけど覚えてますか? ラブシーンだったと思うんですけど。あの姿がとてもかわいかったなあ。
主演のイザベル・アジャーニ※4
は大好きな女優さんですし、映像もきれいでしたね。 |
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もともとゴダールの映画などで撮影監督だった人が、初めてメガホンを取った作品らしいですよ。※5 |
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珠緒 |
へえ、だからあんなにこだわってるんだ。DVDで観るにはちょうどいいかもしれないですね。
わたしは渋谷の劇場で観たんですけど、隣に座った女性が泣いていてね、
「わたしは泣けなーい」って思ったのを覚えてますね(笑)。 |
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涙も出ないくらいに衝撃的だったのですね(笑)。 |
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珠緒 |
『陰陽師』なんかではいっぱい泣いちゃったんですけど、誰も賛同してくれません(笑)。『インデペンデンス・デイ』とか『ベイブ』でも泣いちゃいました。けど『タイタニック』では全然泣けなかったんですよねえ。 |
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屈折してますね(笑)。 |
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珠緒 |
そんなあー!! (笑) |