連続ドラマＷ　ポイズンドーター・ホーリーマザー

『優しい人』『マイディアレスト』


　優しい人になるように言われ続けて育った女性。
　その結果、誰にでも優しいだけの人になった。

　その優しさが周囲を誤解させ、狂わせていく。
　優しい人ってなんだろう。



　家族。
　地元でずっと生活してきた女性。
　妊娠した妹が帰省してくる中、変化していく環境。

　いつからか、彼女は壊れていたのかもしれない。

　なんとも恐ろしい話。


　全体的に怖いな……。
　闇が深い女性の話。

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『罪深き女』『ベストフレンド』


　不幸な男の子を助けてあげている優しい自分。それに酔っている雰囲気の女性。
　保護欲を満たしてくれる事に甘えているだけなのかもしれない。

　そんな女性の母親に家族を壊された男の子。それが不幸に見えてい助けていただけ。だけど、彼にはそれが不幸。



　新人シナリオ大賞の優秀賞を受賞した女性。
　授賞式で憧れの審査員が、大賞受賞者を無理矢理推したせいで、自分が落選した事を知る。

　表面上は同期という事で大賞受賞者と親しくしていく。
　その裏で順調にシナリオライターとして歩んでいたと思いきや落とし穴が。

　嫉妬を糧に必死に上り詰めようとするがなかなかうまくいかない。
　それとは対照的に大賞受賞者が順調に上り詰めていくのを見て、殺したいという感情を抱く。
　しかしそれは微かなもので、彼女に感謝していた。自分を高めてくれる存在。出会えてよかった存在。これこそ親友だと。
　そんな彼女を助けるために命を落とした真の友情。

『ポイズンドーター』『ホーリーマザー』

　なかなか深い。

　娘を必死に守ろうとする母親。それが鬱陶しい娘。
　あらゆることを母親に決められて、自分がしたいようにできなかった想いが爆発した時、母親は窮地に立たされる。

　毒親――確かにそうなのかもしれない。過保護すぎるとそうなる。親の心子知らずとはよく言ったもので、まさにその通り。
　娘はひたすらに反発していく。反抗期だね。大人だけども。

　行き違いや通じていなかった心が生み出した悲劇。

さすがに原作湊かなえの作品で見ごたえ十分。脚本・演出にも隙がなくかなりの完成度。
男性にはわからない女性特有のミステリアスな部分と、母娘の愛憎がしっかりと描かれている。
観る側はどうしても登場人物の誰かに（まあ特に主人公に）感情移入し、味方してしまう傾向が強い。
この作品でも作り手がそれをうまく利用している。
後からその同じシーンを別の角度から見せることにより、実はそうだったのか、
やられたという場面が多かった。
離婚した場合、女手一つで頑張っていかなければならない。親は子供をしっかりと育てなければという思いが強く、子供も小さいときは親の苦労を観ているので、圧倒的に母親の味方であるが、
成長とともに自我に目覚め、親がうざいと思い始める。
でも親は一生子供のためを考えて生き続けるのである。
いつかまた時がたてばわかる日が必ずやってくる。
お勧めの作品。

複雑な気分。