映画『ミステリと言う勿れ』

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監督：松山博昭（2023年・日本・128分）
原作：田村由美の漫画『ミステリと言う勿れ』

フジテレビの月９ドラマの時から、ハマってしまいました。原作の漫画は小学館のフラワーコミックスで現在、既刊13巻だそうです。
くぅ〜、欲しいんだけど、13巻かぁ。まだ続くらしいし…（迷っています）
この劇場版は、テレビドラマのつづきでは無く、通称“広島編”と呼ばれるエピソードで、原作ファンの間でも人気が高いのですって。
テレビドラマからの劇場版という流れが最近多いですが、私の興味は主人公の久能 整（くのう ととのう）君の「立板に水」のお喋り（蘊蓄）にあるので、大概、期待を裏切らないでしょう。
そんな感じでハードルを上げ過ぎなかったせいか、そして昨年、旅行で広島・宮島を訪れていたことも手伝って、景色も含めて楽しんで観ることができました。

久能整（菅田将暉）君は、美術展のために広島を訪れていました。（本物の雪が降っていましたね）美術展に大満足で余韻に浸っているところへ、いきなり女子高生の狩集汐路（かりあつまり しおじ/原 菜乃華）に声を掛けられます。「バイトしませんか。お金と命がかかっています。」
こんな突拍子もない依頼は、TVドラマ版で登場の犬堂我路（いぬどう がろ/永山瑛太）の差し金だったのですが、否も応もなく整は巻き込まれてしまいます。
整が、狩集家の遺産相続の遺言書を読み上げる場に同席しますが、彼が思わず「犬神家の一族」と呟くほどそっくりな状況でした。
庭に面した大広間に親戚一同が集まり、顧問弁護士の車坂義家（段田安則）が遺言を発表し、顧問税理士の真壁軍司（角野卓造）が同席。後に、義家の孫で弁護士のタマゴ・車坂朝晴（松下洸平）も登場します。（汐路の初恋の人らしい。）
地方の旧家にまつわる因習や怪しい言い伝えが謎めいていて、先祖代々の遺産相続には必ず死者が出るという曰く付き。金田一耕助はストリーテラーの役割なので、いつも事件が起きてしまうのだけど、整は、きっちり謎を解き明かし、不幸な事件を回避します。

遺産相続の候補者は４人で全員がいとこ同士。遺言書によって一人にひとつずつ古い蔵が与えられ、さらに遺言書は【それぞれの蔵において、あるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ】という指示を出します。こういう訳の分からない謎掛けって、ちょっとワクワクしませんか？
それにしても、相続する蔵というのが朽ちかけた倉庫みたいに埃っぽくて汚くて、喘息が持病の私は映像だけで咳込みそうでした。
狩集汐路以外の相続の候補者は、狩集理紀之助（町田啓太）、波々壁新音（ははかべ ねお/萩原利久）、赤峰ゆら（柴咲コウ）です。みんな、癖の強そうな人物たち。
汐路が最初に「命とお金がかかっている。」と言ったように、汐路めがけて植木鉢が落とされたり、階段に塗られた油で滑ったり、何やら不穏…

蔵にまつわる謎が解けても、「真の謎は他にある。それこそが、この狩集家が先祖代々隠し続けて来た秘密なのだ。」と整は気づきます。私などは「ホンマかいな…」と思ってしまうのですが、先祖代々信じて来たものは、案外「天狗」の伝説と同じなんじゃないの？ルーツが…
　
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狩集家のお屋敷がすごく立派で素敵でした。あのお屋敷は倉敷市の「旧野崎家」だそうですね。NHKで吉岡秀隆が金田一を演じた『犬神家の一族』でも当屋敷が使われたそうです。国指定重要文化財で、広さ約3000坪。旧野崎家住宅のホームページでは、館内３Dマップで楽しむことも出来ました。
汐路が植木鉢を落とされる高さ12ｍ・長さ50ｍの石垣は建物裏側の細い通路沿いにありました。ここも３Ｄマップで観ました。とても印象的だったので、調べてみてよかったです。普段は立ち入り禁止だそうですが、写真で見られて満足です。

それから、狩集（かりあつまり）とか波々壁（ははかべ）という姓も実際にあるのですね。狩集姓は全国に約760人、波々壁姓はおよそ80人だそうです。原作者の田村さんが、この姓をどのように知って採用したのかお聞きしてみたいです。

それから、「子供は乾く前のセメントのようなもの。落ちたものはみんな跡を残す」という整君の言葉がありました。これは、アメリカの児童心理学者、ハイム・G・ギノットの言葉だそうです。「子どもだから」「まだ小さいから」と侮ってはいけないということですね。無意識の記憶の中に痕跡として残ってしまうのかも。
「あなたは子どもの頃、バカでしたか？」という整君の問いかけもありました。「バカでした。」と、私は思わず答えてしまいました。（涙。笑えない…）

（2023年製作）松山博昭監督。
テレビ放映時から話題を集めた菅田将暉演ずる久能整（くのう・ととのう）君の、劇場版。
原作コミックスの２巻から４巻に当たる「広島編」と呼ばれる「狩集家遺産相続問題」を映像化した。

狩集（かりあつめ）家の遺産相続争い、旧家におけるエピソードや古い蔵の佇まい、人形、焼き物が古色蒼然としてなかなか良いアイテム。
犯人がキャスティングでバレるという危険を微妙に感じながらも、人気者の町田啓太、 萩原利久 松下洸平、柴咲コウなど豪華キャストを配して納得。

しかし、狩集家に関する、あの秘密の納得のいかなさは、いかんともしがたい。
信じていいのそれ（笑）
その無理やりさは、好悪が分かれるだろう。
ドラマのときはそれほど感じなかったが、久能君はすごいフェミニストだったんだね。
柴咲コウの爺さんが「ダンナさんに楽させてもらって、家でのんびりしてるのが女の幸せ」
という言葉にめっぽう熱く語った。（事件の真相解明とはまったく関係ないです）
「女はこうするのが幸せだというのはあなたたち男の思い込みじゃないですか」
「女の幸せだと全女性をくくるのはおかしくないですか？
掃除はスキだけど料理はキライとか人によってそれぞれです。体力によって疲れ方も違います。
楽だかそうでないかは他の人が決めるものじゃない、女性の気持ちはそれぞれ、望みもそれぞれなんです！」

（言ってくれてありがとう久能君、でもその議論もう終わってるから。これは言った爺さんの方がズレすぎだね。
若い人の前でいま、爺さんみたいな事言うと袋叩きだよっ。）

ちなみにテレビではこんなセリフも。
「子供を産んだら女性は変わる、と言いましたね。あたり前です。ちょっと目を離したら死んでしまう生き物を育てているんです。
問題なのはあなた（男性）が一緒に変わっていないことです！」
うん、いいぞ。ととのうの言葉こそが最大の魅力なのさ。（ズシリ）

「金田一耕助シリーズ」のオマージュあれど、おどろおどろしさはなく、
ポップな仕上がりで汐路ちゃん（ 原菜乃華）も可愛い。ユーモラスなシーンもあり、楽しめました。

自分で自分の頭に鉢植えが落ちるような細工、私もやってみたい！
「きゃー、くまげらの命が狙われてる！」
しかし、まともに直撃してポックリいったりして・・。（ありえるわー）
命がけの相続争い、あなたも心せよ！

ドラマがとても良かったので、ドラマ見たあと原作漫画も購入　（が、今まだ未読(;^_^A）
映画？正直2時間ドラマで良くない？フジTVのお金儲け主義じゃないの？
なんて思いながらも、菅田将暉演じる整クンに久しぶりに会いたくて
映画館に足を運びました。
結果、とても良かったです！
昨年見た邦画の中で、ダントツに面白かったです。
これはお金払う価値大ありの出来栄えと私は思いました。
最近、年のせいか映画館に行くと大概の場合１０分ぐらい寝ちゃう時間があるのですが(;^_^A
本作は全く睡魔に襲われることなく、最後まで集中力が持続。
整クンの推理がどう展開していくのか、ワクワクしながら観ました。
相変わらず、整クンの言葉の数々には蘊蓄があって心に響きます。
特に「子供の心は固まる前のセメント」という件。
最初から最後までこの言葉は物語の要となります。

クスっと笑えるシーンも用意してあってとても楽しい時間を過ごせました。
エンドロール後に、警察署の面々もちょこっと登場して
ちょっとほんわかしました。
ドラマのシーズン２、あるといいなぁ。やって欲しいなぁ。

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原作コミックのファンです。
原作者の田村由美さんは、がんばっている女性を力強く描いている作品が多いのですが、本作は、珍しく男性が主人公です。
こうした実写化作品はがっかりすることが多いので、本当は観る気がありませんでした。

ただお気に入りのレビュアーさんたちの評判が良いので、観たくなりレンタルしました。
わたくし的には結構たのしめる作品に仕上がっていました。
ご紹介ありがとうございました。
おかげさまで良い作品に出合えました。

とてもクセの強い主人公を菅田将暉さんが、上手く演じていましたし、ストーリーや設定も上手くまとまっていたと思います。
主人公の雰囲気は、菅田将暉さんの個性が出ていたように思います。
他の人がやればその人なりになるのでしょうか？

個人的には、邦画に出てくる脇役まで、観たことがある人ばっかりなのが少し残念な点。
昔ほど稼げないから出演が増えるのは致し方が無いかと思います。
また安定した演技経験があるので、安パイなのも分かりますが・・・
もう少しリスクを負った配役をして欲しいかもです。
求めすぎでしょうか？

ストーリーは、ほぼ原作通りで、伝奇サスペンスとも言える内容でした。
遺産相続から始まり、その争いの過程でおぞましい過去が掘り起こされていきます。
そしてそのおぞましい過去は・・・

菅田将暉さん演じる主人公の久能整。
するどい洞察力と知識でどんどん事件を紐解いていきます。
この点は、少し都合が良すぎな気もしますので、謎解きを楽しみたいミステリーファン向けではないと思います。
ストーリーを楽しみたい方向けかと・・・

おもしろかったです。

ミステリと言う勿れ2023日本
レンタル視聴

ミステリーとしてはちょっと弱いですが
主人公の小言が楽しめました。
まあまあ面白かったです。