フォールガイ

大好物のライアン・ゴズリングと、
憧れのエミリー・ブラントの共演とあって、
今年の夏の公開をとても楽しみにしていました。
期待値マックスでしたが、期待通りの面白さ。
最初から最後まで楽しめました。
アクションシーンは大迫力。
映画ネタ、俳優ネタも実名で出てきて、くすっと笑えるシーンも満載。

アクション映画には絶対不可欠なスタントマン。
日が当たる場所にいるのは映画スターだけど
その陰で日夜体を張ってスターの影武者を演じる彼らへのリスペクトが
感じられる作品です。
監督さんはスタントマン出身というから、それもそのはず。
裏をよく知り尽くしているわけですね。
本作でもライアンのスタントを演じたスタントマンたちが沢山いるわけで
その活躍には敬意を表したいですね。
あと、バックに流れる音楽たちも良かったです。
サントラ欲しい！

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評判の良い作品で、私の敬愛するS・K先生など「楽しかった！ツボだった」とベタ褒めだ。
だけどボンクラ頭の私は、何がなんだかわからなかった。
2回観るのも疲れるしー、と思いつつ7日も過ぎた。仕方ない、思ったままを書こう。

まず「わからない」というのは、悪役の存在だ。して、浴室で氷漬けになっていたのは誰なのさ。プロデューサーのゲイルは敵か味方か？
本作は思った以上に沢山のメッセージが込められているというか、多層的構造だと感じた。
ミルフィーユだと多層すぎるから、「ティラミス」のようだと例えておこう。
（甘さと苦味の段々重ねのバランスがいいのでしゅ。モグモグ・・）

作品の第一印象は「これはラヴストーリー」なんだという事だった。
スタントをつとめているコルト（ライアン・ゴズリング）と撮影担当のジョディ（エミリー・ブラント）は相思相愛だったが、
コルトは大怪我して18ヶ月も離脱。
なぜ連絡をくれないんだと悩んだジョディは仕事に邁進する事でコルトへの想いを振り払い、ついに初監督を任せられるくらいになる。
（18ヶ月ったら年子も生まれまっせ・・）
ひょっこり、スタントとして登場したコルトを見て、簡単に焼けぼっくいに火がつくわけがない。
が、かくしても滲み出る愛の木もれ火は、撮影のセリフやら何やらでコルトとの
息のあった掛け合いが見事なのだった。
ジョディのちょっとしつこい詰問に、宇宙服の着ぐるみを着た宇宙人がうなだれているのがおかしかった。
またジョディは「カラオケに必ず来てね」と言ったのに、コルトは妨害されて間に合わず、
ショボンとしているのが（年に似合わず）とても可愛かった。
とかなんとか細かい進展があり、最後に成就する二人が素晴らしかった！
（一発やりゃーいいじゃんと思った私は汚れた大人なのだろうか）

さて、スタントという立場を、役柄に落とし込んだのが本作の面白い所。
スタントとスタントされる俳優、今回はトム（アーロン・テイラー＝ジョンソン）というのは実はすごく懇意らしい。
なのでトムの部屋のカギもコルトは持っている。
でもトムはコルトをよく思っていなかったのか、まちがって殺してしまったヘンリー（これもスタント？）の犯人をコルトにしようと小細工する。
その証拠のスマホを奪おうと
そしてトムに自白させようと、いろんなアクション（カークラッシュ、カージャンプ、火だるま・・）は入り乱れるわけだ。
それと同時にジョディが監督してる映画『メタルストーム』の撮影もすすむから、わしゃもう、何がなんだかわかりません！！

（まるで遊びのようなおふざけから、スタント仲間が氷漬けにされた、
しかもそれすらスタントの仕業にしようとしている「スタントの立場を安直にみてる」、
まるで全身氷漬けのようなヒヤリとする話だぜ・・）

面白い！
スタントの事がよくわかる。
派手！派手！派手！
スタントアクションが題材だけあって見栄えのする派手なアクションが次から次へと。

撮影現場はどんなんだったんだろう？
「スタントシーンを撮影するスタッフ」を撮影するスタッフが居たであろう。
その光景を撮影した映像があったら観てみたい（笑）
メイキングであったかな？？？

ただのガンアクション、カーアクション映画に飽きた人にもおススメ。
っていうか、ヨメがまさにその状態。
ステイサムの「ビーキーパー」と、どっち観る？と聞いて、「ガンアクションじゃないほう」と即答でした。

面白かった。

９０点。

　「恋するプリテンダー」に引き続き、またまたオーストラリアが舞台。それも港湾やオペラハウスにフォーカスされているとは、何という奇遇。オペラハウスはシドニーのアイコンのような存在だから当然と言えば当然なのかも。今作は、いかに一流であろうと主役にはなれないスタントマンのコルトを主役に（捻りが効いている）、ラブストーリーの要素も加味された、一見、派手派手なアクション映画のように思えるけれど、最後まで観ると、コルトが自分を陥れようとする陰謀に巻き込まれてしまうサスペンス映画が主じゃないかなあと感じる。物語は、少々長い前置きの後、徐々に真相が分かってくるに従ってじわじわと面白くなってくる。

　ラブストーリー部分や華々しい多彩なアクション、スタントマンの視点から描かれた映画業界の実状等は、あくまでもサブプロットなのでは、という気がする。その点では「フォールガイ」というタイトルが秀逸で、作中でも言及されているように、「身代り」という意味であり、さらに「他人の罪を負わされる人」という意味でもある。まさにこの映画にぴったり。自分のスタントマンであるコルトに対し、スター俳優であるトム・ライダーは、「俺は世界的ブランド、お前が背骨を折っても代役を使うだけ」と言い放つ。スターにとってスタントマンは使い捨て、大怪我をしようが、死んでしまおうが、知ったことじゃない。あげくに恩着せがましく罪まで着せようとする。一方、劇中でジョディが監督をする映画は、正義の陽が昇る「メタルストーム」と紹介される。

　同様に、ジョディとコルトとの実際の恋は、彼女が制作している劇中のSF映画におけるエイリアンのエリアナとスペース・カウボーイとの恋を、相互に反映し合っており、コルトをメインにした壮絶なアクションも、現実と劇中映画の両方で派手に繰り広げられ、重層的になっている。最後の最後に至るまで華麗なアクションに徹しており、それにはお見事と言うしかなく、惚れ惚れと魅入ってしまう。思い入れたっぷりにアクション映画の面白さが詰め込まれているように思えるけれど、その一方で、いささか詰め込み過ぎとも感じ、せっかくのサスペンスがアクションに埋没しがちだし、全体に過剰で凝り過ぎている気もする。静と動、緩急のバランスは悪くないけれど、かえってストーリーの流れがブツブツ切れがちなのも気になる。おまけ的に追加された結末は、自業自得とはいえ、気分が滅入るので、個人的には不要だったかな。どうなるのか予想はつくから、ハッピーエンディングでスッキリ爽やかに終わって欲しかった。つい、あれこれ言ってしまうのですが、スケール感のある楽しい映画なのは確かです。

アクション映画に欠かせないスタントマンに焦点を当てた作品でアクションとサスペンスそれにコメディー要素がバランス良く配合されている。
腕利きスタントマンであるコルト・シーバース、映画スタートム・ライダーのスタントとして活躍していたが、落下事故で精神、肉体共に傷つき業界から姿を消していたのだが、プロデューサーから現場復帰してくれとの強い依頼でシドニーへ飛ぶ、彼の復帰への決心は元恋人ジュディが初めて監督としてメガホンをとるSF大作「メタルストーム」という作品だったからみたい。
その彼が俳優トム・ライダー失踪事件に巻き込まれ、その裏にある殺人事件の容疑者にされそうになるのをアクションスター顔負けの活躍で解決してゆくという展開になっている。
本作ではアクション映画の「裏方」であるスタントチームとその存在を軽視する俳優、制作陣の対峙構造となっており、スタントマンから「お前自分でスタントが出来るのか」と言われたスターがそもそものきつかけになっている。
スター俳優の代役として危険なアクションに挑むスタントマン、最近はCGを使えば俳優自身がアクションしているように合成するのも可能になり、スタントチームはますます陰の存在になっているようだ。
アカデミー賞にも「スタント部門」に対する賞は無いようだが、本作はスタントチームに対する感謝の表れなのかも知れない。
エンドロールで「スタントの裏側」をいろいろと見せてくれるのも楽しい。