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鉄拳さんのセレクトで、これは本当に意外だなと思ったのが、『戦国自衛隊』と『八日目』の2本です。
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鉄拳 |
『戦国自衛隊』は、気持ちよかった。 |
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気持ちよかった? |
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鉄拳 |
戦国時代に自衛隊がタイムスリップして戦うというのが、ボクと同じだなと。ボクも未来からタイムスリップしてきたんで。
たぶん、みなさんボクのスケッチブックをおもしろいモノだと思ってるんだろうけど、それは間違いなんですよ。ボクはみなさんに見えない敵をスケッチブックで倒してるんですよ。
(※マシンガンを乱射するジェスチャーで)ダダダダダダッて倒してるんですよ。みなさんにはわかんないと思いますけど、それで世界が今、平和になっているという。 |
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(笑)じゃあ、『戦国自衛隊』の自衛隊にシンパシーを感じるわけですか。 |
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鉄拳 |
そうですね。「ボクを見てこの映画作ったな」ってのがすぐわかりますね。ボクをパクってますね。 |
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ハハハ。続いて感動系ヒューマンドラマの『八日目』ですが、どういうことなんですか? |
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鉄拳 |
コレは、みんなが知らないような作品を出して自慢しとこうかなって。 |
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確かに、今回のほかの9枚と比べると、観てない方が多いかもしれないですね。 |
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鉄拳 |
ボクの知りあいの中でも、大槻ケンヂ※6さんしか観てませんでしたね。ほかにはだれも知らなかったです、『八日目』。 |
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知的障害者と健常者の心の交流、というテーマで『アイ・アム・サム』なんかと比較される作品ですが、鉄拳さん自身にこういった経験はありますか? |
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鉄拳 |
ボクが小学校の時に、同級生にいたんです。
で、年賀状って、普通は卒業したりすると送らなくなるじゃないですか。その子だけは送ってくれるんですよ、毎年。「あけましておめでとうございます」って。いい人なんですよね。 |
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それは、もしかして今でも…? |
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鉄拳 |
届くんですよ! 恐竜の絵、描いてあるんですよ。まじめに。 |
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年賀状以外に交流はあるんですか? |
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鉄拳 |
交流、ないですね。ボクがこの仕事やってるのも知らないと思います。年に一度の便りだけですね。 |
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お返事は? |
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鉄拳 |
あ、書きます。返事は。 |
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ちょっといい話ですね。その時は鉄拳さんも絵を描くんですか? |
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鉄拳 |
描きます。意味不明な首つりの絵とか描きます。たぶん、何の意味かわからないと思うんですけども。 |
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絵でバレちゃったりはしないんですか? 同級生があの鉄拳だって。 |
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鉄拳 |
いや、全然。わかんないんですよ、きっと。
…でも寂しいですね、もし急に年賀状がこなくなったら。 |