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■DISCAS INTERVIEW■
さとう珠緒さん
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男だらけの映画だって観る!
  ―― 女優さんにばかり注目してきましたけど、好きな男優さんっていないんですか?
 
珠緒

えーと、だれだっけ(笑)? えーと、んーと、ブラッド・ピット
初めて観たのは『ジョニー・スエード』ってツマんない映画に出てたときなんですけど(笑)、ブラピだけはカッコいいなあって思いましたね。それ以来、ちゃんとブラピを観た覚えはありませんが(笑)。
 
――

次の2枚は、これまでと一転してオトコ臭いドラマなのですが、まずは『スモーク』。シブいセレクトです。
 
珠緒

シブすぎますよねえ(笑)?
恵比寿ガーデンプレイス(恵比寿ガーデンシネマ)で観たんですけど、「なんていい映画なんだろう!」って感心しながら観たんですよ。
 
――

ブルックリンの街角のタバコ屋に集う3人の男たちの、人情味溢れるヒューマンドラマですよね。
 
珠緒

わたし、映画は“じっくり楽しみたい派”なので、『スモーク』はそれにピッタリだったなあ。男の哀愁、渋さ、落ち着き、タバコの煙、全部センスがいいなあって思いましたね。
最近、落ち着いて観られる映画って少ないじゃないですか? 『ジュラシック・パーク』とか『マトリックス』にしても、ビックリさせられることはあっても。
 
――

いわゆるハリウッド超大作、みたいなのはダメですか?
 
珠緒

まあ、映画館で観るにはいいのかなあ。1,800円も払うんだから、あれくらいのものを見せろ!って気にもなりますね(笑)。
だから、『スモーク』みたいな映画は逆に部屋で観るのに合ってるかもしれないですね。年末なんかに、1年をゆっくり振り返りながら観るのがいいのかもしれない。
 
――

『スモーク』には『ブルー・イン・ザ・フェイス』※13 という姉妹編のような映画もありますね。
 
珠緒

へえ、知らなかった。それもぜひ観てみたいですね。
 
――

次は、男と男の復讐合戦『チェンジング・レーン』ですね。
 
珠緒

すごくおもしろかった! これは最近、DVDで観たところなんです。
まず、俳優さんがよかったです。ベン・アフレック※14サミュエル・L・ジャクソン※15 が、バチバチと火花を散らしてましたよねえ。
 
――

車線変更のちょっとしたトラブルから、どんどんすごい話に発展していくんですよね。
 
珠緒

そう! 「短気は損気」っていうか、その場で謝れば済む問題だったかもしれないじゃないですか?
 
――

それだと映画が10分で終わっちゃいます(笑)。
 
珠緒

まあ、そうなんだけど(笑)。いかに人生でそういう気持ちが大事かということですよ!
都会では、挨拶も交わさないほど人は冷たいし、危ないことも多いじゃないですか?だからわたしは「短気は損気」ということを忘れないようにしたいんです。
 
――

この映画はどちらが悪いとはいえないんですが、珠緒さんはどちらかに肩入れしてご覧になりました?
 
珠緒

わたしはどちらかというとサミュエル・L・ジャクソンのほう。
単に、相手がリッチなエリート弁護士だったからというだけで(笑)。もともとあっちが謝らなかったのが原因なんだし。
 
――

珠緒さんの人生で、こういう“運命の分かれ目”みたいな出来事はありましたか?
 
珠緒

ここまですごい出来事なんてありませんよ!
でも、うーん、そうだなあ、今とは別の事務所に所属していた10代の頃って、あまりやる気がなくて、遅刻もしたりしていたんですね。もう、「さとう珠緒はいらない!」みたいな状況にまで追い込まれて…。
けど、ある日の演技レッスンの場に、今の事務所の社長が来てくれて、そんな状況から彼女が引っ張り出してくれたんですよ。もしも、あの場に彼女がいなければ、今のわたしはいなかったかもしれません。そう考えると、人との出会いっておもしろいですよね。
 
――

それはいい出会いですね。この映画の中で描かれるのは、最悪の出会いですが…。
 
珠緒


本当にツいてない一日だったんでしょうねえ。
わたしにもありますよ〜! 朝、テレビの占いランキング最下位から始まって、外に出たら信号でもエレベーターでも待たされて、雨降ってきたけど傘がない。「あ〜っ!!よりによって革靴だった〜!!」って…(笑)。そんなちょっとした悪運が重なっちゃう日。
逆にツいてる一日というのもあって、「なんか知らないけれど今日はいいコトが続くぞ! ウワ〜ッ!競馬も当たっちゃった〜!!」って(笑)。バイオリズムのせいなんでしょうかねえ?


さとう珠緒さん
※13:『ブルー・イン・ザ・フェイス』
『スモーク』の姉妹編。前作の監督ウェイン・ワンと原作者ポール・オースターが共同監督をしている。 マドンナやマイケル・J・フォックス、ジム・ジャームッシュ、ルー・リードといった豪華ゲストも顔を見せる、楽しい即興的演出作品。 新潮文庫で両作の脚本を読むこともできる。
※14:ベン・アフレック
1972年生。8歳の頃からTVドラマに出演。学生時代からの友人マット・デイモンとの共同脚本『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』でアカデミー脚本賞を受賞。他出演作に『2000本のたばこ』『アルマゲドン』など。 今年10月、ジェニファー・ロペスと結婚。
※15 サミュエル・L・ジャクソン
1948年生。黒人問題を描いてきたスパイク・リー作品に続けて出演し、『ジャングル・フィーバー』でカンヌ映画祭助演男優賞を受賞。『パルプ・フィクション』での殺し屋役が評判となり、以後主演作が続く。スクリーンでは硬派なイメージが強いが、実はまるっきり正反対な性格だとか。


ヒロインを真似して、ショートカットに三つ編みにと・・・。
  ―― 次は『勝手にしやがれ』ですが…
 
珠緒

ゴダール※16 ですね! 昔の映画って、ファッションとかインテリアとかかわいいものが多いですけど、『勝手にしやがれ』はその中でもおシャレが集結されちゃっている映画なんで、観るだけで自分もおシャレになった気分が味わえます。それだけでも観る価値ありです〜。
 
――

(笑)内容も印象深いですよね?
 
珠緒

印象的だった場面は、ラストの、主人公が撃たれた後もフラフラ走っていくシーンかなあ。
わたしって、「ストーリーの素晴らしい映画が、いい映画」とは思ってるんですけど、全然ストーリーが覚えられないんです(笑)。切り取られたビジュアルで覚えていることが多いんですよ。
だからこの作品を観たあとも、ヒロインのビジュアルに憧れて、ショートカットにしたり、ボーダーのシャツを真似たりとかしてましたね(笑)。 さっきの『カサブランカ』を観た後はトレンチコートを真似して着たり、『初恋のきた道』だったら髪を三つ編みにしたりとか(笑)。
映画は、ヒロインから影響を受けることが多いですねえ〜。
 
――

そんな珠緒さんが堂々ヒロインを演じた、
『zap Entertainment!おれ、ぼく、あたし。』ですが。これ、撮影が大変だったんじゃないですか?(※もともとデジタル放送でオンエアされた実験的なテレビドラマで、3人の主人公の物語を、視聴者が自由に切り替えて観ることができた。3人揃うシーンでは、それぞれの視点に合わせてカットも3倍!)
 
珠緒

(スクリーンに映写された映像を観ながら)すごい大変でしたよ〜。
わたしの視点のドラマ、(共演の)緒形さんの視点のドラマ、といったように3パターンずつ撮らなければならなくて、1カットごとの長さまで揃えなくちゃならなかったりして。3人が一緒に出るシーンは特に大変でしたね。
でもこれって、DVDで観るとどうなるのかな?
 
――

DVDでも、「アングル切り替え」機能でチャンネルを変えながら楽しめますよ。※17 もちろん、さとう珠緒ファンは珠緒さんだけ観る事もできます(笑)
 
珠緒

もっと熱心な方は、テレビを3つ並べて、3つの物語を同時に観て欲しいですね(笑)。きっとおもしろいですよ〜。
 
――

DVDプレイヤーも3つ必要ですが(笑)。
内容に関してはいかがですか? 印象的なシーンはありましたか?
 
珠緒

ボクシングの試合のシーンは、主演の3人が揃うので、撮影はほんと大変でした〜。エキストラさんも長い時間拘束して(笑)。
ボクサー役の方たちは1ヵ月くらいジムに通って練習されて、かなり本格的な試合の映像だと思います。
当時はデジタル放送もまだまだ広まっていませんでしたし、観られる機会も少なかったと思いますので、ぜひDVDを「DISCAS」でレンタルして観てほしいですね。 3人分の物語を全部観るとなると、時間的にも結構見ごたえあると思いますよ!

さとう珠緒さん
※16:ゴダール
監督、ジャン・リュック・ゴダール。1930年生。映画批評から始め、やがてヌーヴェルバーグの旗手として世界中に衝撃を与えた。政治的な作品も多く、90年代に入る頃には難解映画というイメージもつきまとう。 ちなみにヌーヴェルバーグに直接影響を与えたのは日本映画『狂った果実』だと言われている。
※17:DVDでも、「アングル切り替え」機能で…
一部のDVD機器ではうまく変えられない場合もありますので、ご注意下さい。

★ ★ ★
「自分が癒されないと、人にも優しくできない」という教訓をお持ちのさとう珠緒さん。
映画とのつきあい方においても、人とのつきあい方にしても、常に自分に正直にいようとする姿勢が伝わってくる楽しいインタビューでした。
珠緒さん主演の1枚、『zap Entertainment!おれ、ぼく、あたし。』は、DVDの新しい楽しみ方ができるユニークな作品なので必見です!

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さとう珠緒さん PROFILE
さとう・たまお
1974年生まれ。千葉県出身。グラビアアイドル時代を経て、CFやラジオ、バラエティ番組、テレビドラマなどでも活躍中。大の競馬ファンでもある。
映画初出演作は意外や意外、『超力戦隊オーレンジャー』のオーピンク役。主な映画出演作に、太宰治の内縁の妻を演じ、着物姿が美しかった『ピカレスク』(監督/伊藤秀裕)、トラ番記者に扮した『ミスター・ルーキー』(監督/井坂聡)など。また、『デコトラの鷲〜祭りばやし〜』が今秋から全国各地で上映中。自称「健康オタク」の彼女が著したヒーリングブック『たまてらぴ』がソニーマガジンズより絶賛発売中。




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